表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

161/422

四壱の実力

「これより【戦闘演習】を開始する。先に全員の的を当てた方が勝ちじゃ。的を当てさえすれば、どんな攻撃でも構わん」


 四壱と紅がマンの的に笑い崩れてる間に、亀王は開始の合図を送る場所まで移動して、すぐにでも始まりそうな雰囲気になってる。


「ちょっと!! そろそろ始まるから、笑うのはそこまでにしておかないと」


「ふぅ……大丈夫。七兄の前で不甲斐ないところは見せないようにしてるから」


 四壱はすぐに気持ちを切り替える事が出来たのも、弓道の集中力のお陰なのかも。


「……私もちゃんとしないと……ぶっ!! 筋肉も笑わせないでよ」


 紅も戦闘に集中しようとしたけど、マンはすぐにでも突撃するつもりなのか、クラウチングスタートの構えが紅の笑いを誘ったみたい。股間部分だけじゃなく、お尻にも的があったのが余計にね。


「それでは……戦闘開始じゃ!!」


 亀王の戦闘開始の合図と共に、マンは『それでは』の声でお尻を突き出し、『戦闘開始じゃ!!』でスタート。獣人側の方もマン同様に一体が突出していく。数秒後にぶつかり合うのか……といっても、ダメージは入らないわけなんだけど。


「ちょっと……マジ!? こんなにすぐなんて……【アーツ】を使えるわけないし……」


 紅は衝撃的な出来事に笑いが止まり、呆然とその光景を見てしまってる。


「三体同時にいけたと思ったけど、あの鳥人がもう一人のB級かな」


 四壱は鳥族の獣人達が飛び立つのを狙って、二体同時に撃墜した。それは的四つをこの距離で的中させた事になる。それも【アーツ】を使用するための発動時間もなし。四壱の能力だけで的確な四連射を成功させたわけ。それに加えて、もう一体も撃墜しようとしてたんだから、紅が驚くのも無理はないかも。


「……凄いのは聞いてたわよ。けど、どうやって……」


「どうやって? ……スキル【鷹の目】があったのもあるし、鳥は飛ぶものだよね? 歩いてくるわけじゃないから。飛んだ鳥を堕とすだけ。当てるだけなら、これぐらいの連射は出来るから」


 私も【鷹の目】はなくても目が良い方で、二体の鳥人は四壱の矢に為す術もなく撃墜したけど、最後に飛んだ鳥人は反応して、足で矢を蹴り落としたのが見えた。四壱の言う通り、あの鳥人がB級の実力者なのかもしれない。


 しかも、四壱が狙ってくると分かれば、鳥一人は的の防御を強化する。そこさえ当たらなければ、距離を詰める事は簡単になってしまう。


 鳥人はマンが四壱達から離れた事によって、空中からの突撃を敢行しようとした。マンさえいなかったら、接近すれば勝てると思ったんだろうね。


「それに……相手も考えが甘いかな。他を警戒しなさずきでしょ」


 四壱は再度弓を構える。その直後、突風が連続で鳥人に襲い掛かる。ダメージはなくても、徐々に態勢を崩していく。それによって、的の位置が露呈して……四壱はそこに矢を撃ち込む。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ