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的の中心は?

「開始する前に、もう一度【戦闘演習】のルールを言っておくぞ。7という冒険者も聞かないと駄目じゃぞ。【戦闘演習】で死ぬ事はない。攻撃が通るのは体に浮き出る的を攻撃した時だけじゃ。その的が全て当たってしまった場合リタイアとなる。ここまでは先程の試合と同じじゃな」


 ルールの再確認。私とウルフルの試合で変更もあると言ってたし、亀王はそこを説明するつもりみたい。


「今回は五対十四ともあって、人数差が倍以上ある。じゃから、こちら側の的は一人につき二つ、そちらは五つとしよう。更に同じ的に攻撃してもダメージは通らん。一度当たれば、消える事にするぞ」


「まぁ……そこは消した方がいいでしょ。傷口を抉るような攻撃になるわけだし。見る方からしたら、結構エグい事すると思ったから」


 紅はウンウンと頷いてるけど、それをしたのは私なんだけど……結構ヤバい事をしてたんだ? あの時は暴走してたから……多分。


「次にそちらは弓士、僧侶、調合士と接近戦に向かない者ばかり。そこの者は例外として、戦闘開始は今の距離から始めるものとする。とはいえ、百メートル程しかないぞ。あの中には六秒程でここに辿り着く者もいるわけじゃがな」


「百メートル六秒台ですか!? せ、世界記録を更新してますよ!! そんな速い人を相手にするんですか?」


 三太が驚いてるようだけど、百メートルの世界記録は九秒台だったよね? それを三秒も縮める事が出来たのは獣人だから……って、マンも本気を出せば、それぐらいは行けそう……ヒューマ国の【ハイソン】から【アイン】に走ってきた時はヤバい速さをしてたから。


「その選択は自殺行為みたいな物だと思うけど、そっちがOKなら全然」


「えっ!! 弓士でもそこまでの距離は……それに動いてる相手ですよ」


 四壱が簡単に承諾した事に、再度三太は驚いた。


「馬鹿なのか? 魔物も動いてるだろうが。四壱なら問題ないぞ。四壱以上の弓馬鹿を俺は知らないからな。距離なんか関係なしだ」


 自信満々に兄さんが言った言葉に四壱は照れてる。弓士馬鹿は四壱にとっては褒め言葉で、それを兄さんに言われたら頑張るしかないでしょ。


 まぁ……三太が馬鹿みたいな事を言ったけど、正しくはあるんだよね。


 三太は四壱が弓道をしてる事を知らない。けど、弓道をしていたとしても、的までの距離は二十八メートルが基本。もう一つは六十メートルもあるが、両方共的は動かない。アーチェリーでも最高で九十メートルらしいけど、それ以上の距離。しかも、今回はどこでもいいから当たればいいってわけじゃないから。


「筋肉や私もいる事を忘れてない? 何にでも怖がり過ぎでしょ。四壱やカズハの兄貴が信用出来なくても、私達を信用すればいいんだから」


「問題ない」


「わ、わかりました」


 紅は三太の尻を軽く蹴り、マンの「問題ない」の一言で三太も気持ちを切り替えた。


「納得したようじゃな。それでは的を出現させておくから、わしは真ん中の方へ移動するから、合図が出るの待っておれ」


 亀王は湖の上を泳いでいくから、ライオンの獣人に運んで貰わなくても、スムーズに移動していく。


「戦闘が始まったら、僕や七兄の事は気にせず、ドンドン前に行って構わないか……ら……ぶっ!!」


「ヤバい……あっちも卑怯な手を使ってくるわね」


「し、師匠……そんなところに……だ、大丈夫ですか?」


「おっ、おい!! それは狙ってる……わけはないのか」


 四壱が会話の途中で吹き出し、紅は口とお腹を手で抑えて、崩れ落ちた。三太はマンの体を心配して……兄さんはマンにツッコミを入れようとしたけど、マン自身は悪くなく……


「どうした? 的が出現しただけなんだが?」


 マン自身は気にした様子はない。私も【トラウマ】の効果がなかったら、ツッコミを入れてたと思う。


 顔だったら、四壱や紅も笑わなかったと思う。けど、マンの胸部分に的二つ、パンツ……股間の部分に一つと狙ったかのように出現したんだから。胸部分の二つの中心は乳く……服を着てないから余計に目立つから。

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