表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

155/422

似たような台詞

「ヒャッハー!! 俺様のスピードについて来れず、この一口で戦意喪失だぜ」


 ウルフルは四足をバネのように力を溜めて、真正面から突撃を仕掛けてきた。けど、的に当たる以外の攻撃は無効で、ダメージを受けない。咄嗟に避ける事を踏まえての攻撃の可能性あり。


「怖くて、一歩も動けないか? この大きな口を見ると余計にだろ?」


 ウルフルは突撃を急停止して、私の左肩を掴んだ。そして、恐怖を増長するように囁き、的のある右肩に噛みつくつもりだ。的に当たれば、どんな攻撃でも禁止はされてない。


「いや……わざわざ、自分から殴りやすい位置に持ってきてくれた事に驚いただけで」


「はっ……ガフッ!!」


【ナイトメア】を相手にした身としては、ウルフルのスピード、噛みつきに全く恐怖なんて感じないし。むしろ、それだけで怖がると思った事に腹が立つ。


 ウルフルの噛みつき攻撃で開いた口を、アッパーをする形で閉じさせる。スキル【カウンター】で威力アップ。的には少しズレたけど、少しでも当たれば問題ないらしい。それに……的に一撃与えても、その的自体は消えてない。


「ブホッ!!」


 ウルフルが噛みつこうとした時、腹の部分に的が見えたので、ここは膝蹴りをチョイス。その痛みにウルフルは口を開けるけど、そこにもう一度アッパー。


「ビケッ!!」


 的は消えてないんだから、そのダメージはウルフルに通る。怒涛の三連撃に、ウルフルは無意識に二、三歩後退。そこを逃さず、左足の的にローキックを。それも防御が間に合わず、直撃。


「ヒッ!!……見てる方が痛い。よ、容赦が全然ないです」


「当然の結果じゃない? 本当に見た目や職業に騙されたら駄目なのよ。体験者から言わせてもらうと、カズハに関しては、ある意味卑怯でもあるからね」


 三太と紅は好き勝手な事を言ってるけど、楽そうに見えて、楽じゃないから。ウルフルに反撃の隙を与えないための連撃で、圧は消失するどころか、むしろ増えてる感じがする。


「ウォーン!!」


 ウルフルの【咆哮】。【ナイトメア】がやってきたみたいに獣人にも【アーツ】として所持しているのかも。


【咆哮】は強さによって体を硬直、竦み上がらせる事が可能。私は【ナイトメア】でそれを体験したけど、ウルフルの【咆哮】はほんの僅か時間。次の攻撃を止めるぐらいで終わったけど、ウルフルにとっては十分。


「ちっ!! 何だよ……そんな服装で俺様を騙したのか!! 明らかに僧侶が出来る反応じゃないだろ。ベアードを倒した奴といい、D級で強さを騙すなんてな」


「うわ……私と同じような事を言ってる。自分が聞くと恥ずかしいわ。そうなると似たような展開になるんでしょうね」


「それって……あ、姐さんが負けたって事ですか? ヒッ!!」


 三太の質問に紅が睨んだわけじゃなく、ウルフルが二人に睨みを効かせた。


「鶏野郎に苦戦したC級のヤツと一緒にするな!! 本気でやってやる。ギブアップもさせない。死ぬ方が楽だったと思い知らせてやるからな!!」


ウルフルの獣毛が銀色から赤色に。何かのスキルが発動したのかもしれない。


「オラオラオラオラオラオラ!!」


 接近からのラッシュ。単に殴ってくるだけなんだけど、手数の速さは紅を上回る。それをひたすらに防御するも、頬や肩、腕の皮膚が僅かながらに切れていくのは威力が高い事が窺える。これにダメージがあったら、ほんの少しの隙が出来て、腹や右肩の的に直撃しててもおかしくない。


 その攻撃の波を一旦切るためには【受け流し】で体勢を崩す。攻撃速度があっても、リズムが同じであれば、【受け流し】をする事は出来る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ