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ウサ耳オジサンは人気がない

「クエスト達成おめでとうございます!! 報酬は【虫除けスプレー】です。これを体にかけたら、巨大蟻等の虫系魔物が寄ってこない貴重な物ですから」


 犬耳や猫耳を付けた受付嬢とか、兎の獣人の女性、狼系の男の獣人には冒険者が多数並んでいる。その光景を見るとアイドルの握手会の如く……


 その中で私が選んだのは四壱と一緒の場所……というか、冒険者が誰も並んでないから。


 ウサ耳を付けたオジサンの受付。そのシュールさに、何故、オジサンなのにウサ耳を選んだ? と思ってしまうぐらいに似合ってない。しかも、モコモコな手袋もしていて余計に痛い感じはしたんだけど……時間重視で。


「アンタは何処に行くつもりなわけ? 私達全員がやっても、こっちの方が早いんだから」


「す、すみません。行ったら駄目な感じがして……」


 紅は三太の耳を引っ張り、こちらに連れて来てる。別のところに並ぼうとしてたのかも。


 三太の言葉が聞こえたようで、ウサ耳オジ受付は落ち込んだ感じになってしまった。私が話し掛けた時は満面の笑みだったのに……一応は気にはしてるみたいね。


「彼の言った事は無視して貰って、彼……四壱と同じクエスト、パーティーを組みたいんだけど? 私を含めた、この四人共ね」


 思わず、四壱の事を彼女と言いそうだったけど、【ユニユニ】では男キャラ。そこは慣れておかないと。


「す、すみません。私も案内役から異動してきて早々、こんな耳を付けさせられるとは……そんな事は関係なかったです」


 案内役という事は……斉藤さんの元同僚!? ウサ耳オジ受付が何か失敗して異動してきたなら、斉藤さんもギルドの受付に異動もあり!? 闘技場にも似た名前があったけど……


「四壱様が受けたクエストですか……どの冒険者でも参加出来る【戦闘演習】ですね」


「【戦闘演習】? 模擬戦みたいな感じの……もしかして、相手は獣人!?」


「そうですね。依頼者や内容をきちんと確認してみますか?」


 四壱は私が獣人に相手にされなかったから、このクエストを選んでくれたのかも。ウサ耳オジ受付は【戦闘演習】の内容を私だけじゃなく、マン達の前にも表示してくれた。


「い、依頼者はあの亀……獣人の王なんですか」


 三太がビクつき、体が震えてるのが分かる。少し前に気絶させられてるからね。怒られたらばかりで、すぐに会いに行かないと駄目というのは……四壱も案外スパルタでしょ。


 クエスト【戦闘演習】 報酬 なし


獣人の王からの依頼。来たるべく魔物との大戦に向けて、戦闘演習を行う相手を募集。そちらに見合った戦力を用意する。総力戦である。


「一対一が良かったんだけど、パーティーを組んでたら、そうなるか。でも……」


 少し残念ではあるけど、興味がある言葉があった。『見合った戦力』となったら、マンと同等の強さを持った相手も登場するって事でしょ? それは楽しみ過ぎる。

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