マンの姿は……
「ははっ……別に気にしてないよ。ここでは仲良くしてくれると言ってくれたわけだし。今度こそ、初めましてですよね。四壱と言います。マンさんの事はカズハから色々と聞いてます」
四壱はマンに頭を下げた。マンは見るからに年上な姿をしてるからね。未だに何をしてるかも聞けてないし、年齢不詳のままだし。
「さん付けはしなくていいぞ。こちらこそ、よろしく。四壱は性別を変更したのだな。それもアリだと私は思うぞ」
マンは四壱が男キャラである事にすぐ気付いたんだけど、元が女性だと何で分かったんだろう? 兄さんと四壱の名前は口にしてたけど、性別は話した事があったかな? それに男性キャラなんだから、兄さんの方だと思うはずなんだけど……
「四壱が男性キャラに変更したのがよく分かったね。男キャラだから、兄さんの方だと思わなかったわけ?」
「ん? カズハは四壱が女性だと言ってたぞ。『彼女は弓士を選ぶ』だったか。親友ともなれば、同性じゃないか?」
「確かに……四壱が弓士を選ぶ時に言ったかも。弓を背負ってるから……といっても、兄さんが同じ職業を選んだ可能性もあるわけだし」
「それは紅の態度だな。カズハの兄であったら、紅もそんな風にはならないと思ってな」
「そんな風に……って、どういう事よ!! 別に照れてたわけじゃないからね。仕方なくだから!!」
「ああ〜納得したかも。紅は四壱の姿を一応は知ってたわけだし」
声は聞こえなくても、マンは【鷹の目】で私と四壱、紅の行動を見た状態で判断したのかも。
「見た目によらず、凄い洞察力の持ち主なんですね。頭も良さそう……って、その見た目というのは失礼ですね」
四壱もマンが色々と気付いた事に驚いていたけど、洞察力は分かるとして、頭の良さの方は……馬鹿みたいな事をするのがマンなんだけど……
「問題ないぞ。皆がどう思おうが、私はこの姿が気にいってるからな」
「なるほど……マンは見た目を変更したんですね」
「おおっと……口が滑ってしまったな。貴女もとんだ策士だな。これ以上は秘密だぞ」
「えっ!! 筋肉はそのままの姿じゃなかったわけ!!」
「普通に考えて、姿を変えてるでしょ」
紅が驚いた事に、私はすかさずツッコミを入れてしまった。というのも、姿を変えてる事は予想はしてたけど、そのままだったら……って、気持ちがあったからね。プロレスラーにいてもおかしくないんだし……それを隠すためにツッコミを入れた部分はある。
マンもこれ以上の事は秘密と言ってしまったから、更に聞き出すのは無理になってしまったけど……
「僕は性別を変えたし、種族によっても姿は変わるからね。僕のパートナー……カズハの兄に関しては両方だから。性別も変えて、姿も変えて、声も変えて……そこを七兄は全然気にしてないし、マンもそうなんでしょ? カズハもそこを気にするタイプじゃないし」
「【ユニユニ】の中だし、そんな事が出来る風になってる時点で、誰も文句は言わないでしょ」
私も胸を大きくしようとして失敗したからね。それぐらいは良いと思ったのに、斉藤さんが話を先に進めるから……今更だけど!!