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胸がありません!!

「私の名前も知ってるようだし……本物? 背中に弓を背負ってるところを見ると、弓士を選んでるところなんかも」


 弓馬鹿の四壱は弓士を選んでるわけで、装備が弓である事も間違いないわけで……服装もヘソ出しの白いシャツと軽そうなズボン……暑さ対策だとしたら羨ましい。私もそっちに逃げたら涼しいかもしれないけど、千城院さんから貰った装備を変えるのは……


「って、あれ? もしかしてなんだけど……」


「気付いた? カズハが何で気付いたかは目線で分かったけど……性別は男にしてるんだ。七兄は女キャラを選ぶから、その逆にしてるわけ」


 私が目線を向けた先にあったのは胸。四壱も私みたいに胸があるというわけじゃないんだけど、少しは山があったのに、それが全くの平らになってたから違和感が生まれたわけだ。


「なるほどね。四壱は見た目や声は案外中性的だし、変わらない姿だから。私や兄さん以外は話し方を変えた方が、相手が混乱しなくなるかも」

 


 四壱の一人称は僕だし、性別を交換するプレイヤーは他にもいるから、そこまで気にする必要はないかもしれないけど……【ユニユニ】の中で人気が出そうな感じはするんだよね。


「ちょっと待って……四壱は分かるんだけど、兄さんは話し方はともかくとして、流石に姿を変えてるよね?」


 兄さんがそのままの姿でエルフの女性になるのは……想像したくない。身体能力はそこまで良くないから、メリットは無いわけだし。四壱に関しては性別を変えたから、身体能力を引き継いでるのか微妙な気はするけど……


「そこはね……声も変えてるから、最初は誰なのか分からないかも。七兄は今回のイベントの受託して、先に【ログアウト】したから、会えるのはイベント中になるかな。【星の砂採取】のクエスト時に、七兄の昔馴染みのプレイヤーと会って、違うゲームで対戦するみたい」


【星の砂採取】が仕事として頼まれたクエストなら、それを終わらせた状態で負けたって事!? 前哨戦を取り消さなくても、私達の完全敗北じゃない。いや……三太の事もあったし、そこまで急いでなかった事もあるから。


「久しぶりにゲーム仲間と会ったのなら、昔のゲームに行くのも仕方ないかな。でも、クエストをこなしたうえで先を越されたら、完全に負けてたわ」


 とはいえ、ここは素直に敗北を認めておこう。その代わりに大型イベントで勝てばいいんだから。


「そこは仕方ないんじゃないかな? 【鷹の目】で遠くから見てたけど、カズハ達のパーティーは個性があり過ぎだからね」


 【鷹の目】は遠くからでも相手を捉える事が出来るスキルで、マンも所持してる。弓士の選んだ四壱が所持してるのは納得。私も動体視力は良いから……というのは関係ないか。


「見てたわけ!? そうだよね。私達が来た事に気付いたから、声を掛けてきたわけだし」


 獣人のNPCが集まり始めてたから、四壱が何事かと思って、【鷹の目】で確認したのかもしれない。


「まあね。カズハの姿よりも先にマンの姿を見て、一発で分かったから。本当にカスバの言葉通りだったし。もう一人の彼女の方は……見た事があるような気はするんだけど」


 紅に関しては大学で見かけた事があるのかもしれないけど、私から言うのは違う気がするからね。


「あっ……戦闘が終わって、こっちに来るみたいだよ」


 四壱は私と話しながらも、マン達の行動を【鷹の目】で確認してたみたい。

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