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冒険者ギルドに御来店


 ……それで今隣にいるのが千城院さんじゃなく、パンツ一丁の漢。その人物は勿論マンなんだけど、プレイヤーやNPC達の視線の数が……


 違った意味で注目されてたんだろうけど、それに対してマンは何も感じないみたいで、堂々としてるのは凄いと思う。


 私もマンと一緒にいる事で視線を受けてる気がするんだけど、これは千城院さんと一緒になった時のための試練だと思っておく事にした。それでも、注目のされた方は全然違うだろうけど……


「冒険者ギルドにようこそ。カードを所持してないところを見ると、ギルドへの登録でしょうか?」


 ギルドの受付嬢は、他のプレイヤー達とは違って、笑顔で私達に対応してくれてる。


「そうです。私と一緒に彼もお願いしたいんですけど」


 私とマンがいるのは【アイン】の街にある冒険者ギルド。街にある建物とは少し違っていて、現代のビルみたいな感じ? 中も酒場とかじゃなく役所風かな? クエストとパーティー募集用の大きな掲示板があって、プレイヤー達はそこに集まっている。


 

 ここで冒険者としての登録をして、様々なクエストを引き受ける事になるみたい。そこからランクを上げていき、行ける範囲を広げたり、新たなクエストを開放したりしていくわけね。


「分かりました。登録するため、まずは目の前にある水晶に手を置いてください。名前や職業等を確認します。その後、ギルドカードが作成されますので。攻略したクエスト数、フレンド数、プレイ時間、様々な事が書き込まれていきます」


「ほらっ!! ちゃんとマンの相手もしてくれるでしょ。門番の時は本当に何も身に着けてなかったからだけなんだから」


「そうだったのか? だとしても、カズハがいてくれて助かったぞ」


「仕方ないでしょ。あんな風に待ってるなんて思ってもみなかったんだから」


 というのも、私が【ユニユニ】にログインするところまで遡るわけなんだけど……


 兄さんが作ってくれた私の晩御飯を、四壱が食べていたのはさておき、昨日よりも早めに【ユニユニ】にログインしたわけよ。


【ログイン】場所は最後に訪れた街。【アイン】からになったんだけど、それと同時に【フレンド】が【ログイン】してるのを表示してくれるみたいなんだけど……


 それよりも先に、マンの姿が目に入ってきたわけよ。アレは誰もがガン見してもおかしくないから。


【アイン】の街並はファンタジー漫画によく出てくる中世ヨーロッパ風?の建物が並んでいて、そこの中心部にある噴水。待ち合わせに使われそうな場所で、マンは仁王立ちをしたまま微動だにしないんだから。まるで名物の石像よ。NPCの子供も何だろうとツンツしてたぐらいだしね。


 そんな状態だったから、無視するのもなんだし、思わず声を掛けてしまったんだけど……その時のマンの笑顔にはビックリ!? 子供もマンが急に動くから、怖くて逃げ出したから。


 マン曰く、一緒に冒険者ギルドへついてきて欲しかったみたい。門番の時みたいに追い返されたらと思ったらしく、一時間程待ってたらしい。(ユニユニでは三時間ね)そして、今の状況に至るわけなんだけど……


「カードが出来上がれば、まずはE級のクエストを五つ用意してますので、それをクリアしてD級を目指しましょう。ギルドはクエストを受ける以外にも、プレイヤー達の交流の場としても開放してます。ぜひ、ご利用くださいね」


『ご利用くださいね』と言われても、私とマンは敬遠された感じなんだけど……


 ギルドに今いるプレイヤー達は男女半々なんだけど、それは見た目だけであって、性別は変更出来るから。少し警戒する気持ちもあるんだよね。


 けど、千が千城院さんのはずだし、マンが女性という事は流石にないとは思うんだけど……


「カズハ様の登録完了しましたよ。職業は僧侶……なんですか!? 【スキル】が……いえ!! 何でもありません。ご確認ください」


【ランク】 E級


【職業】 僧侶


【魔法】 【ヒールLV1】


【スキル】 


【回復魔法の回復量1.2倍】


【受け流し+】 低級魔法を受け流した事によりLVアップ


【回避+】 十連続で攻撃を避け続けた事により習得。


【カウンター】 相手の攻撃に合わせて反撃に成功した事により習得。成功時に威力アップ



「おおっ!! いつの間にか【スキル】が増えたり、強くなったりしてるんだけど……」


 受付嬢が私の職業に驚いたのも仕方がないかも。【スキル】がどう考えても、僧侶の【スキル】じゃないからね。『【スキル】が……』と言ってくれただけ、マシだから。


 他にギルドカードに書いてあるのは、ほぼほぼ初期状態と変わらない。クエスト数は0だし、フレンドはマン一人だけだし……


「次は後ろの彼の番です。どうぞ、水晶に触れ……ヒッ!? こ、壊さないでくださいね」


「大丈夫だ。問題ない」


 受付嬢はマンを怖がらないと思ったけど、近くに寄ってみたら、あまりのマンの迫力に怖がってしまったかも。

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― 新着の感想 ―
[一言] これ、マンの正体千じゃない?
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