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マンは心配する

「しかも、三太とは違った凄い顔になって……」


 昨日、三太が何も挨拶なしで【ログアウト】した事に対して、マンが激怒の表情をしてるわけでもなくて、その逆。泣きそうな顔みたいに見えるんだけど……


 そう思ったのも束の間で、圧倒的な速さで視界から消えたと思ったら、マンは三太にぶちかまし……みたいな感じで抱きついた。その勢いで【ヘビーメイス】が何処に飛んでいくし。


「よく戻ってきた!! 【ユニユニ】を辞めるんじゃないか、心配してたんだ」


「マンも三太が【ユニユニ】を辞めないか、心配してたんだね」


 一緒に【ログアウト】した時はそこまで心配してた感じはなかったんだけど……


「勿論だ……と、言いたいところだが、最初はそうでもなかった。これぐらい当たり前と思ってたんだが……兄に話した時、ドン引きされたからな。師匠と呼ばれた事で、ドッシリと構えすぎてしまったのを後悔したぐらいだぞ」


 マンに兄妹がいるのは聞いたけど、一番上だと思ってた。兄と【ユニユニ】の話をするって事は、マンは意外と若かったりする? けど、私の兄さんも【ユニユニ】をやってるし、紅の父親であるブラックもプレイヤーだから別に年齢は関係ないのか……


「私も四壱に注意されたからね。三太がいた時はホッとしたからね」


 後は……三太が別に嫌がってなかったのは喜ぶべき事なのかは微妙なんだけど……


「ちょっと!! 私だけが反省してないみたいになってない!? 優しくするだけなのも全然駄目なんだから。獅子は我が子を谷へ突き落とすぐらいが丁度良いの。三太にも聞いて……死にかけてない?」


 もしかしたら、ブラックは紅に【ユニユニ】のやり方を優しく教えたから? だから、最初に会った時は偉そう……なのは置いといて、紅が私に負けたのはそのせいだと思ってる?


 それはそうと、三太はマンに力強く抱き締められて、白目を向いてる。マンのぶちかましで死ななかったのが不思議なぐらいなんだけど、【ド根性】のスキルでも身に付いたのかも。そのお陰でマンはPKにならずに済んだけど、放置すると消滅しそうな感じになってる。


「本当に!! しっかりするんだ!! 目を覚ませ!!」


 マンは抱き締めるのは止めたけど、三太を目覚めさせるために勢いよく揺さぶる。その揺さぶりの強さが逆にダメージを与えてるような……


「そんなに揺さぶったら、回復するのも回復しないから。私が【ヒール】を使うから」


 戦闘中じゃないから自然回復するはずなんだけど、マンの揺さぶりはそれを邪魔してるからね。時間も勿体ないし、【ヒールLV2】で回復した方が早い。


「……はっ!! 僕は一体何をしてた……って、師匠!?

いつの間に来てたんですか? そ、そうだ。姐さんから【ヘビーメイス】を持ち上げれるようになれって……」


 三太はマンがぶつかってきた事に気付いてないというか、記憶が飛んでるみたい。


「これだな。【ヘビーメイス】は【パワーリスト】の効果がなくなってからいいぞ」


「す、凄いです。流石、師匠だ」


 マンは片手で軽く【ヘビーメイス】を持ってる事に、三太は目を輝かしてる。紅でも両手で持つしかなかったから、余計にかも。マンのぶちかましは内緒の方向に。


「三太も意識を取り戻したところで、この先の話をするぞ」


 ここは私が方針を言っておきたいところだけど、三太もいる事だし、マンに任せた。けど、どう進めるかは三太が目覚める前に事前に話したんだけどね。

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