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目ん玉が飛び出そうだ

「まずはマンが【ログイン】する前に一度持ち上げてる。次は【サファリ】までそれを装備したまま到着するのが目標ね」


「あ、あひ」


 三太も一度【ヘビーメイス】を離せばいいのに、紅の言葉通り、持ち上げようと頑張ろうとしてる。強くなるためには必要な事……じゃなくて!!


「それは駄目だから。イベントまでに強くさせようとするのは分かるけど、この状態だと【サファリ】に到着する時には始まってるからね。四壱との前哨戦もあるんだから。二人が私やマンと別行動するなら話は別だけど」


 危うく、四壱の言葉を忘れるところだった。私や紅は普通だと思っても、これはスパルタだと意識しないと。


 三太は【パワーリスト】だけでも重く感じてのに、更に何十倍以上の【ヘビーメイス】を装備させて、【サファリ】まで行くのは……三太が頑張るつもりでも、流石に駄目な気がする。今も三太は【ヘビーメイス】を持ち上げようと、凄い形相になってるから。下手したら、力みすぎて鼻血とか目ん玉が飛び出すんじゃないの? って、思いぐらいにね。


 兄さん達との前哨戦は無くなったけど、紅を説得するためにも黙っておいて、理由させて貰おう。もし、紅が三太と二人で行くというなら、それはそれでありだから。


「そうだった!! カズハは四壱と勝負してるのを忘れてたわ。前哨戦だとしても、千様ファンとしては敗北は許されないから。はぁ……仕方ないわね。今回は戦闘時だけ【ヘビーメイス】を使う事。マンが来るまでに持ち上げるのはやってもらうから」


「それは良いんだけど……イベントの事を考えたら、付け焼き刃に過ぎないんじゃない? 本来の三太の戦闘での動きを見た方がいいと思うけど」


「おひっ……」


 三太も何か言ってくれたら良いんだけど、マンが来るまでに本気で重量上げならぬ、【ヘビーメイス】上げに奮闘中。


「本来の動きね……支援系だから、後方にいたのは確かじゃないの? カズハの方がおかしいんだからね。まぁ……バフでどれだけ強くなれるのか、試してみるのはありか」


「そこは私も見たいところだからね。バフ系の【アーツ】が必要なのかを確認したいし」


 自分自身の力だけで行きたい気持ちもないわけじゃなかったけど、災厄の獣を相手にしたら、そうも言ってられない。マンですら圧倒する力だったから。


 それに……すっかり忘れてしまってたけど、千城院さんの手助けのために僧侶になったわけで、回復やバフ系を積極的に取りにいかないと。


「あっ!! マンが【ログイン】したみたいだね」


 マンが【ログイン】したのが表示されたし、私達と同じ場所での【ログイン】だから、視界にその姿が入ってきた。勿論、紅の目にも入ったし、三太もマンと【フレンド】になってるから気付く……暇もないか。


「時間切れね。筋肉がこっちに来るまで、諦めずに頑張るのもありだけど」


 紅は三太が持ち上げるのを少しは期待して、そんな事を言ったのかもしれないけど……


「ねぇ……凄い勢いでマンがこっちに来るんだけど」


 私達がマンに気付いたように、マンも私達がいる事に気付くと、猛ダッシュでこっちに向かってくる。三太の事を考えると、ゆっくり歩いてきて欲しいところでしょ。

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