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揉め事発生?

「慣れよ、慣れ。千城院さんのパーティーを目指すなら、注目されるのに慣れないと駄目だから。紅はブラックといた時もあるわけでしょ?」


「尊敬と奇異の視線は違うと思うんだけど……どんな視線にも慣れないと駄目なのは理解したわ。千様のパーティーメンバーになれば、嫉妬させる事があるかもしれないわけだし」


「確かに!! それはあるかも」


 千城院さんが私や紅よりも早く、別の誰かをパーティーに入れたら、そのメンバーを嫉妬するかもしれない……いや、する。紅もきっとそうに違いないわね。


「……どうするんだ? 並んでる状態では、声を掛けるのは難しいと思うんだが。中間地点で一度落ち着くとか……良い匂いが漂ってきてるからな」


 マンは紅のパートナーを見つけるよりも、この先にあるだろう未知の屋台に興味があるみたい。私は全然匂いがしないんだけど?


「私達の後ろにも列が出来てきてるからね。見た目で決めるのもなんだけど、目星の一つや二つを見つけておくのはありかも。もっとも、紅がどんなパートナーが欲しいかによるんだけどね」


 後ろにも列が出来始めていて、途中で抜ける事も無理そうだし。前後左右の冒険者達は聞き耳を立ててたのか、私達から目を背けてるから。紅のパートナーをここから選ぶなら、見た目と大体の職業を予測するしかないわけ。


「一時的でも私のパートナーにしたいのは」


「ま、待ってください。ちゃんと許可書は持っていたはずなんです。関所に着いた時に【BOX】の中にあったのを確認したはずなのに」


 紅の声を遮るみたいに、前方で揉め事の声が響いてきた。役人の一人が冒険者の少年を列から連れ出した。


 他の冒険者は面倒事だと誰も庇う事なく、少年と役人を無視して関所の門を次々と抜けていく……という事は、彼は誰ともパーティーを組んでないのかも。


「……すまない。道を開けてもらうぞ」


 マンは少年を助けるためなのか、前に並んでる冒険者を押し退けて進み、ある場所で立ち止まったと思ったら、男を一人摘み上げた。


「な、何するんだよ!! 俺は普通に並んでたはずだぞ」


 その男をよく見ると、敵に出現する野盗にそっくり……というか、野盗本人でしょ!!


「この男が許可書を盗んだはずだ。丁度、屋台を見る時に【鷹の目】を使っていたかな。盗むところが丸見えだったぞ。前ではなく、後ろに下がる姿もな」


 マンは野盗を少年と役人がいる場所まで連れて行く。もしかしたら、サブイベントの一つかも。こんな大人数の冒険者がいる時、様々な物が盗まれていく……みたいな。見ず知らずの誰かを助けるのがマンなんだよね。


 野盗の一人が捕まった事で、ヒョコヒョコと野盗達の姿が見えてくる。マンから野盗Aを助けるというより、この場から逃げ出そうとしてる。


「はぁ……見つけた物は仕方ないか。紅も構わないよね」


「二人でしょ。野盗ぐらい問題ないわよ」


 私と紅、それぞれで列を外れて、野盗を一人ずつ捕まえた。マンが最初に列から抜け出した以上、もう一度並び直すのも仕方ないし。

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