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歓迎会(笑)

読み方

発言者 「」普通の会話

発言者 ()心の声、システムメッセージ

発言者 <>呪文

『』キーワード


 アランが入社してから1週間がたち、魔晶石に魔術を付与することに慣れてきたころ、アランの歓迎会が行われることになった。会社近くの居酒屋に魔晶石精製部門6人が入った。

 いくつかの肉料理とワインが注がれたグラスとボトルに入ったワインがテーブルに並び、歓迎会が始まった。


アキタ 「では、アラン君の入社を祝ってかんぱ~い」

一同  「かんぱ~い」

アラン (異世界でも歓迎会ってあるんだな……)


アラン (酒と料理は美味しいな。それにしても、機嫌が良いのはチワワとアキタとブルドだけだな、ヒムラさんとミドリさんは能面の様に無表情だ。まあ、無理もないか、普段、チワワがあの態度じゃ、酒も不味くなるだろうな……)


チワワ 「おい!ミドリ!気が利かねぇな酌をしろよ!」

アラン (ナチュラルにセクハラもしていくのか……)


 ミドリは無言でチワワのグラスにワインを注いだ。


ミドリ (死ね!くそじじぃ)

アラン (ホント、チワワってダメな上司を煮詰めたような性格してんな……)


アキタ 「良い飲みっぷりだね。どう、仕事には慣れた?来てくれて本当に助かってるよ」

アラン 「ああ、ありがとうございます」

アキタ 「この調子で頼むよ。でもね、そろそろ自発的に残業しようか?みなし残業分だけでもね。仕事が終わったのなら顧客名簿見て、顧客を覚えるとか、魔術の教本を見て新しい魔術を覚えるとか、自発的にやらないとだめだよ?」

アラン (え?なに?自発的に残業ってなに?普通は期限が迫っている作業を期限内に終わらせるために仕方なくするもんだろ?それに自発的に勉強しろだ?仕事を教える気が無いのか?)

アラン 「自発的に勉強ですか?」

アキタ 「そう、学校はお金を払って勉強するだろう?つまり、生徒はお客様な訳だ。だから、先生は一生懸命教えてるんだ。これは分かるよね?」

アラン 「そうですね」

アキタ 「それで、会社では君がお金を貰ってるだろ。つまり会社がお客さんの立場なわけよ。だから、自発的に勉強する義務が発生するんだよ」

アラン 「はあ」

アキタ 「納得できない?」

アラン 「いいえ」

アラン (その理論で行くと、お前らは役職手当もらってるだろ?それって新人を教育出来る技能があるからもらってるわけで、役職持ちは新人に仕事を教える義務が発生するだろ。そこはスルーか?まあ、いま反論しても面倒だし、言わないでおこう)

アキタ 「だからね。残業して自発的に仕事覚えてね」

ヒムラ (うわっ!はじまったよ!自分たちが生活残業してるから他の社員にも勧めるやつ……。その残業代、みんなで稼いだ金から出てるって分かってんのかな?それに、自分の役割を棚に上げて新人教育を放棄するのもいつもと同じだな……。本当、ガチで給料泥棒だよな~。あの3人……)


チワワ 「最近の若い子はすぐに辞めちゃんだよね。少し注意するとパワハラだと騒いで辞めていく、最近の子は我慢を知らない」

アラン (お前は、怒りを我慢できてないけどな……)


 1週間がたち、一緒に仕事をしているうちにアランはチワワの本性を見抜いていた。チワワは、どうしようもないクズだった。


チワワ 「俺、口がわりいから、こういう言い方しかできないんだよね。悪いけど仕事だと割り切ってくれ」

アラン 「はあ」

アラン (いや、仕事だから言葉遣い直すべきなんじゃないの?)

チワワ 「俺も好きで怒ってるんじゃないんだよ?みんながミスしないように、仕事を完璧にこなせるようになって欲しいから怒ってるんだよ)

アラン (間違ってるんだよな~その認識。怒って他人を馬鹿にした時、怒った本人は脳内で快楽物質が分泌され快感を得る。

 暴言を言われた人は処理能力と創造性が約60%低下する。

 自分が所属するグループに対する暴言を聞いた場合は処理能力が約30%、創造性が約40%低下する。

 他人が暴言吐かれるのを目撃した人間は処理能力が25%、創造性が45%低下する。

 怒って暴言を吐くだけで、自分だけ気持ちよくなり周囲を不快にさせ、作業効率を下げる。これってオ○ニーと一緒なんだよな~。こいつ人前でオ○ニーしてる自覚あるのかな?

 まあ、自覚があったら怒って人を馬鹿にしたりしないか……。きっと、自分がオ○ニーしてると僕に思われてるとは気づいていないんだろうな……。教える義理もないし、しばらくは、チワワのオ○ニー姿を観賞しとこう)

アラン 「チワワさんって優しいんですね」

チワワ 「そうだろう。俺って慈悲深いだろう?」

アラン (皮肉も通じないとはな……。オ○ニーのしすぎで脳が委縮してんだろうな……)


チワワ 「おい!ヒムラ!お前はいつになったらちゃんと仕事が出来るようになるんだ?」

ヒムラ 「はあ、すみません」

アラン (ヒムラさん、仕事出来てるんだよな~。チワワの指摘してること殆ど的外れだし余計な作業増やしてるだけなんだよな……。自分はいい加減な仕事してお客さんに謝ってるくせにな……)

チワワ 「お前がミスすると俺が尻ぬぐいすることになるんだぞ?分かってるのか?」

ヒムラ 「はい。すみません」

ヒムラ (実際にミスした時は『自分のミスは自分で挽回しろ』って言って一回もお客さんに頭下げたことないのによく言うよ……。社長が居なかったら、この会社潰れてるぞ……)

ミドリ (まったく、会社に長くいるだけで部長になっただけの男が偉そうに……。新人教育もろくにできないし、新人いびってすぐ辞めさせるし、なんで社長はクビにしないんだろ?まあ、社長の事だから、こんなクズでも社員だから大事にするとか思ってそうだけど……)


チワワ 「さて、そろそろ時間か……。二次会行く人、手を上げて~」

アラン (チワワとアキタとブルドが行くのか、ヒムラさんとミドリさんは不参加か、当然だよな~)

チワワ 「おい!アラン!お前は来るんだよ!」

アラン 「あ、はい」

アラン (強制かよ……)


 その後、アランは女性が接客するお店に連れていかれ、下品な下ネタで盛り上がる3人を観賞するという苦行を2時間行ってから寮に帰った。


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