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幸せの5文字

作者: 神崎信二

やり直したい事。

誰しも1つはあるのでは無いだろうか?

もちろん俺はある。

中学生の頃の俺は、高校を卒業して、普通に就職して、彼女が出来て結婚、そして30までには子供1人欲しい!なんて思っていたっけ…

実際に30歳を過ぎた訳だが、子供無し、奥さん無し、彼女すらいない、あるのは低賃金で雇われてる会社員10年目と言う虚しい実績だけ…

何処で間違えたのだろう。せめて彼女が居たら幸せだったのかもしれない。そう思ったある日の事だった。



ネットの掲示板にこんな書き込みがあった。

「3日後から来たけど何か質問ある?」

何を言ってるんだと思ったが、その日から3日間、その主が言った出来事が全て起こったのだ。こいつは本物なのかもしれない…そう思った俺は、その主が書いていたやり方をメモした。

1、睡眠の準備

2、戻りたい日付とその時の記憶を思い浮かべる

3、戻りたいと強く念じながら目を閉じる

たったこれだけ…明晰夢を応用して出来るらしい。

半信半疑ではあったが俺は試してみる事にした。

俺が戻りたいのは中学時代、俺に好意を寄せていた可能性のある1つ下の後輩との夏祭りデートの夜だ。

もしあの夜に告白していたら人生変わっていたかもしれないんだ。

藁にもすがる思いで俺は強く念じながら目を閉じた。



ぼんやりと浮かんで来たのは、後輩と近くの公園で手持ち花火をしていた場面だ。

「おお!」

「びっくりしたー!…どしたんですか?」

「…ああ、ごめん…」

成功…だよな…?

懐かしき浴衣姿の後輩を見て思わず大きい声を上げてしまっていた。

「綺麗だ…」

気づいたら声に出していた。

「えー?こんなワンパターンに光るだけの花火より線香花火の方が絶対綺麗ですってばー!もうー!」

花火の事だと勘違いしてる後輩はそう言った。

「あっははは!違う違う…お前の事を言ったんだよ」

「…へっ?」

そんなセリフを言われるなんて思っていなかったのだろう。驚きの表情を俺に向ける。

「…え?あのー…先輩?」

ちょうどその時花火が消える。

「…えーと…え?」

今まで当たり障りの無い接し方しかしてこなかったから当然の反応だ。

「俺…お前の事が好きだ」

自分でも驚くくらいはっきりと言葉に出来た。

「…その…なんて言うか…えっと…」

この感じは知っている。断られるだ。

「私…」

ピピピピピピ…

けたたましいアラーム音で目が覚めた。




目を覚ますといつもの天井だった。

あの時後輩が何を言おうとしていたのかは分からない。しかし、きっと遠回しに振られたであろう…

携帯を見ると未読メールが1件表示されていた。

相手の名前は…なんと後輩からだった。

嬉しさと緊張で手が震える。

恐る恐る俺はメールを開いた。











「おはよう♡」


その文字を見た時全て理解した。

俺は幸せの未来を手にしたのだと…



おわり



ここまで読んで下さりありがとうございます。

頭の中に思い浮かべる情景を文字にしてみたって感じの作品です。

好評ならその後の2人も書きたいと思います。

感想を頂けると泣いて喜びます。

短いですがこれにて失礼致します。

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