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ハザードが止まらない

自分たちの小説って見にくくないか? まるででこぼこで誤字修正だらけの道だ。

 そしてバトルランキングを破竹の勢いで駆け上がっていく俺。

今では10位となり目指すところあと少しと言ったところだった。

倒してきたこの学院の生徒たち……そいつらのためにもこの先の戦いは絶対に負けられない。


 だが……。


「1人2人と戦っていくのはめんどうだな」

「もう一位を倒すってことですか?」

「なっ」


 ざわざわと驚きの声をあげる仲間たち。

そうよ、そのまさかよ。


「さっそく1位を探しに行く。あとに続け!」

「ハイ……」

「ハイ……」

「ウィンディです……」


 俺は仲間を引き連れファイナルアタックをしかける。


 だがバトルランキング一位……いったいどんな強者なんだ。



「ライライラ、1位についての情報はなにかないのか?」

「もちろんありますよ。バトルランキングでここ三年間不動の座を獲得している実力者……」


 ごくりとつばを飲み込み喉を鳴らす。


「高等部3年精霊科主席の……ウェルマックス先輩です!」


 なるほど……あいつか……やはりな、そんな気はしていた(〇ナイーダ感)


 ラストレイヴンとなるのはどちらなのか……今ソウルが試されようとしている。


 俺たちは学院をうろついてウェルマックスを探すのであった。





「それで、私に挑戦しに来たということか」

 

 俺はここに至る経緯をウェルマックスに話していた。


 彼は研究室というところで何やら作業をしている最中だった。

部屋の中にはフラスコやらビーカーやら実験道具に膨大な資料が見える。


「ああ。しかし意外だったぜ……あんたはこんなケンカみたいなの嫌いだと思ったからな」

「男なら誰もが世界最強の男に憧れるものだと思ったのさ」

「そうだな」


 お堅いインテリ野郎だと思ったが……案外ノリのいいやつだ。


「君の挑戦を受けてたとう。長い間挑戦者というものに恵まれなくてな」

「言うじゃねえか……!」


「やっちゃってくださいケントさん!」

「やれー! ご主人様!」


 仲間からのエールをもらいさらに気合が入る。


「勝負方法はどうする?」


「そうだな……奇遇にも私たちは同じ精霊術師だ。ここはお互いの精霊術で力比べといかないか?」

「なに……?」


 ウェルマックスは自分の得意な土俵で戦うつもりらしい。

勝つためにはその行いは当然と言える……しかし。


「マスター……」


 ウィンディが俺をじっと見つめる。


 そうだ。

俺たちだって幾多の冒険を乗り越えてきた間柄だ。


 絆の力()なら絶対に負けない。


「いいぜ! さあ行くぜ! 決戦のバトルフィールドへ!」

「フッ」


 俺たちは競技場へと赴くのであった。




「1位と10位が戦うってよ!」

「ヒュー! こりゃ見るしかねーぜ!」


 競技場にがやがやとギャラリーが増えていく。


「すごい人ですねベルさん」

「ああ……一体どうなるんだこの試合」


 仲間たちもどこか緊張しているように見える。

俺も緊張してきた。


「出でよ! 我が究極にして至高のしもべ!!!」

「ッ」


 ウェルマックスが手を上にかざしたのを合図に稲妻が走った。


 ごうっとフィールドに風が巻き起こる。

激しいエネルギーがうずまいて大気を揺らしていた。


「召喚に応じ参上した。マイマスター」


 そして現れたのはウィンディを大人にしたような雰囲気の美少女だった。

服装も神秘的で胸もあること以外はけっこう……ていうかそっくりだった。


「シルフィ―ド、久々の戦いだ」

「そのようですね。楽しみです」


 まるで歴戦の戦士ともいうべき風格をあの2人は放っていた。


「ウィンディ、いけるな?」

「……はい!」


 俺たちも覚悟を決める。

ここであいつらに勝てば学院最強の地位を得ることができるんだ。

俺は生徒じゃないけど。


「先功はゆずるとしよう。どこからでもかかってきたまえ」


 ウェルマックスが手招きをしている。

挑発のつもりか、はたまた余裕の表れなのか……いずれにしてもチャンスだ。


 あいつが俺たちの実力を把握する前に押し勝つ!


「ウィンディ! でんこうせっかだ!」

「……?」

「間違えた魔法だ!」

「はい!」


 ウィンディに命令を出すと、風の刃がシルフィ―ドへと迫っていく。


「ハッ」


 だが……シルフィ―ドが舞踊るようにくるりと回転すると、風の刃が描き消えてしまった。


「つ、つよい」


 俺は戦慄する。

モンスターなんかと比べ物にならないレベルの防御力。


「この……! この……!」


 ウィンディが苦し気に風の刃を連発する。

だが、そのいずれもシルフィ―ドが無慈悲にも無力化する。


「今度はこちらの番だ。シルフィ―ド」

「はい」


 相手が反撃の姿勢を取った。

まずい―――。


「ウィンディ!」

「この……!」


 俺の声が聞えてないのか、ウィンディはでたらめに魔法を行使していた。


「遅い」

「―――ッ!?」


 だが、いつの間にかシルフィ―ドはウィンディの背後を取っていた。



「がはっ」


 シルフィ―ドのまわしげりがウィンディにヒットする。


「ウィンディ!」


 俺は吹き飛んできたウィンディをキャッチする。

衝撃で後ろに吹き飛ばされ、ゴロゴロと転がる。

いたい。


「大丈夫か!?」

「ハァハァ……はい!」


 すごい一撃に見えたがウィンディにはまだ闘志があった。

つよい。


「並外れた防御力だな……シルフィ―ドに近い能力と術師の魔力量がそうさせているのか」

「ええ。ですが違和感を感じるほどにちぐはぐでデタラメな実力……」


 一瞬で有利が変わり、向こうで冷静に何か話し合っている様子だった。


「……なんて醜い」


「てめえ!」

「乗るな! ご主人様!」

「あいつ相棒をバカにしやがった!」


 急に相棒を馬鹿にされ憤慨を禁じ得ない俺をベルが抑えてくる。


「シルフィ―ド」

「ハッ、失言でした。申し訳ありません」


 バトルの最中にもかかわらず冷静に謝罪してきた。

完全に相手のペースだった。


 だが実際、この勝負勝ちの目が見えない。

どうすればあいつらに勝てる……。


「力が欲しいですかぁ……?」

「!?」

 

 そんな時、俺の傍らにそっとやってくるライライラ。

びっくりした。


「……ってライライラ、今はおふざけに付き合ってる暇は」

「忘れたんですか? ウィンディがどうやって生まれたのか?」


 得意げにそう言い放つライライラ。

なんだ、この状況で一体何を……。


「これを」


 そして彼女は謎の石がはめられた……いや宝石だろうか。

ひとつの指輪を手渡してきた。


「ウィンディちゃんの指にはめて上げてください」

「……なんだこれ」

「さあ……はやく」


 俺はライライラに言われるがままウィンディと向き合う。


 無言でうなずくウィンディ。

俺は彼女の指に指輪をはめていく。


 すると激しい閃光が煌めき、俺たちを包んでいく。

一体何が……。


「何の光ィ!?」


 ギャラリーも驚いている様子だった。


 俺たちを包んでいた光が圧縮され、ウィンディへと降り注ぐ。


 そして現れたのは―――。


「見ていてください、マスター―――」


 あの孤独なシルエットはまさか……。


「わたしがあの精霊を倒します……この身にかけても!!!」


 ウィンディだった。

毛量が増え、腰まで髪の毛を伸ばし格好もどこかシルフィ―ドのような神秘的な服にチェンジしていた。


「なッ」 

「これは……!?」


 シルフィ―ドとウェルマックスが驚愕している。

さすがのやつもこの事態についてこれないらしい。

へへっ、わかんねえだろ? 俺もわかんない。


「けど一つだけわかったことがあるぜ」


 俺は得体の知れない力に若干の不安を感じながらもウィンディと共に並び立つ。


「俺たちはまだ戦えるということだ!!!」

「はい!」


 好機到来。

俺たちは新たに気持ちを入れなおし、対戦相手と向かい合う。

勝てる……勝てるんだ……!






 だが―――。

闘志を燃やす俺たちを興味深く見る少女の瞳がどんな色をしているかなど、この時の俺は気づきもしなかったのだ―――。



 











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