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ウィンディ その2

宇宙小戦争のしずかちゃんがラジコン戦車で出撃するシーンガンダムみたいですね

「ここが……学院」

「王都が誇る魔導学院です。大きいでしょう?」

「ああ。とんでもなくビッグな建物だ」


 俺たちが辿りついたのは大きな大きな校舎と敷地だった。

まるで大学みたいだあ……。


 学院の敷地内ではライライラと同じような制服を着た生徒たちがいっぱいいた。


「なあなあ、ここではどんなことを勉強しているんだ?」


 ベルが手を上げてライライラに質問をする。

良い質問です、とどこからか取り出した眼鏡をかけてむふーとネコ耳と鼻を鳴らした。


「ずばり魔学です」

「……」


 そうか……魔学か……、


 諦観にも似た思いが俺たちの脳裏を駆け巡った。

奥が深いな魔学は。


「他にも魔法や戦闘技能の授業もありますが」

「あ、それはあるんだ……」


 よかった。

ちゃんとした異世界で。


「カラフルストーンも手に入ったのでようやく課題に取り組めますよ~」

 

 えへへ~と笑顔で石にほおずりするライライラ。


「課題か……大変そうだな」


 俺はついこの間まで同じように学生生活を送っていたことを思い出した。


「ええ。魔学を応用した武器の制作が私の課題なんです」


 将来は死の商人にでもなるのだろうか。

俺はこの学院に対する警戒レベルをワンランク上げた。


「あ、私長いこと学院を空けていたので色んな先生に挨拶してきますね」

「そうか…‥俺たちはどうすればいい?」

「そうですね。じゃあこれを」


 手持ちぶさたになりそうな俺たちにライライラは社員証みたいなのを渡してきた。


「それを首に下げてれば学院内を見学できますので」

「たすかる」


 俺たちは受け取ったゲスト用のカードを首に下げる。


「ではまた後で! お昼に食堂で落ち合いましょう!」


 そういうと慌ただしくかけていった。


 場にの残された俺とベルとウィンディの3人は顔を見合わせる。


「どうしようか?」

「ご主人様、とりあえずブラブラしてみようぜ。珍しいものが見えるかもしれねえし」

「そうしましょうかマスター」

「ああ!」


 最近慌ただしかったし、のんびり羽を伸ばすのもいいだろう。

俺たちは好奇心の赴くまま、肩を組みスキップで校舎へと入っていくのだった。







 校舎の中はどこぞの魔法学校みたいに豪華だった。

ここが〇SJか……。


 廊下では学生がぞろぞろと歩いている。

どこかに俺のさらなるヒロインもいるかもしれないな。

なんかかわいい人もいっぱいるし。


「ヘイ! そこの道行くガール!」

「ヒェ」


 ナンパに失敗した。


「ヘイ! そこの道行くGIRL!」

「さよなら」


 失敗した。


 失敗した失敗した失敗した……こんな人生ry



「なんだよ、ご主人様さっきから女漁りしかしてないじゃないか」

「えっ、ちちち違うよお」


 ベルがつまらなさそうにそう言ってきた。

半分は当たっている、耳が痛い。


「ねえ……あれ……」

「ざわ……ざわ……」


 気が付けば周りが騒がしくなっていた。

やばい。

大勢の人が俺を注目していた。


 そんな俺は目立つつもりなんて一ミリも……!




「何の騒ぎですか?」


 すると人ごみをかき分け1人のイケメンがやってきた。

銀の長髪で狼のような耳をしている。

誰だ。


「! ウェルマックス様よ!」

「精霊科主席のあの!?」


 周りの生徒たちが一斉に驚いていた。


「本当にあのウェルマックス!?」

「知っているのかベル?」

「いや、全然」


 なんだホントこいつ。


「みたところ不審者ではないようだが……」


 俺たちのゲストカードを確認したのだろう。

だが警戒はされているようだった。


「ん……そちらの小さいお嬢さんはもしかして精霊かい?」


 ウェルマックスはウィンディの方をに顔を向けると、舐めまわすように見ていた。

ロリコンだろうか。


「わかるんですか?」

「私も精霊術師の端くれだからね」


 ウィンディと同じ目線にしゃがむと優しそうに微笑んでいた。

もしかして:いいやつ。


「精霊術師?」

「うん? ご主人様、精霊を連れてるくせに精霊術師を知らないのか?」

「ああ!」

「簡単に言えば精霊を使うことに特化した人間のことさ」

「ああ~!」


 まんまだった。


「そのとおりだよ少年。君の精霊はめずらしい魔力を持っているな」

「レアなのかウィンディ」

「わたしはしぜんに生まれた精霊ではありませんから……なにか変わっているのかもしれません」

「そうなのかベル?」

「いやなんで私に聞くんだよ!?」


 俺もこの世界に来たばかりで色々わからないことも多い。

それを深く実感した。


「人工の精霊か……伝説とうたわれていたが、まさか実在するなんて驚きだよ」


 それつくったのここの学生さんですよ。

俺は心の中でツッコミを入れる。


「おっと紹介が遅れたね。私はウェルマックス。高等部3年だ」

「俺は剣崎健斗。高校2年生だ」

「アタシはベル」

「わたしはウィンディといいます」


 それぞれ自己紹介と握手を交わす。

あいさつは大事だからな。

人間の印象は初対面で80%くらい決まる(諸説ある)

優しく応対しとくに越したことはねーぜ!


「おっと、この後用事があってね。ここで失礼させてもらうよ」


 どこかへ行く途中だったのか、ウェルマックスは廊下を曲がって去っていった。


「……気づきましたかマスター?」

「……ああ」


 ウィンディが緊張した面持ちで俺に問いかけてきた。


 あいつ〇フィロスっぽいよな

わかるよ。


「多くの魔力と精霊のけはいをかんじました。ししつで言えばマスターとおなじか……」


 全く見当違いのことを言われた。


 それ以上のことをウィンディは口にしなかったが、俺もなんとなくわかっていた。

なんとなくまたどこかで再会する……そんな気がした。



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