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戦闘開始


月夜に煌めく海面を、ゆらりゆらりと漕ぎ渡る。


彼らの侵入を拒む様に吹き荒れた嵐はパタリ静まり、不気味な静寂を作りだす。


遠目に見えた孤島のフォルムがしっかりと視認出来た時──



そいつは現れた。



「ん、なんでしょうか?」


海面を盛り上げ山の様な影を映し出す。


「津波か……?いや……」


この静けさに津波は有り得ない。


であれば自ずと答えは限られる。


「だいだらぼっち……」


海面から這い出る様に現れたそれは──



山の様に巨大な鬼であった。



「大妖魔……。なぜ貴様が拙者達の前に立つ」


大昔より語られる海の覇者。


その巨大過ぎる体躯故、海中へとその身を隠す。


一説に寄ると大陸を引き、山や川、湖などの地形を作ったとされる。


海を荒らす者には容赦は無く、その逆鱗に触れれば忽ち藻屑と化すだろう。


深く刺激をしなければ、人間への干渉は殆どなく、温厚な性格だとされる。


出現するだけでちっぽけな人族には甚大な被害を被るであろう大波を起こす大妖魔は、全身が真っ黒な皮膚に覆われ、大きな目玉がぎょろりと見下す。

頭部から生えた双対の角と大きな口で、鬼一口になんでも平らげる。


その大妖魔が今まさに立ちはだかる。


「ウリュウ殿、ここは拙者に任せて先を行ってくれ。

 必ず追って参る」


「うい」


そう言うとだいだらぼっちを桃ノ果実に任せ、ギコギコとオールを漕ぐ。


素知らぬ顔で漕ぎ進めるウリュウに大きな目玉がぎょろりと向いた。


そして降り注ぐ大きな拳。


その巨椀を持ち上げるだけで大波を起こしながら、ウリュウの漕ぐ小舟へ振り下ろされる。


寸毫。


チンッ!


擦れる金属音と共に、跳躍する桃ノ果実の刀が大きな拳とかち合った。


「お主の相手は拙者だ」


相応の衝撃を受け取とると桃ノ果実は海面へ降り立った。


「流石ですね。不安定な海面での正確な魔素コントロール。

 ここ数日で身に付けとは到底思えません」


「まぁ、あいつの場合は魔素無しでも水面を走る位は出来ただろうしな」


称賛するリースに対し、興味の無さそうにウリュウが呟く。


そして大胆にもウリュウはだいだらぼっちの真横を漕ぎ進めた。


「んじゃ先行ってるぞー」


平坦な声色でそう言い放つ。


しかしながら当然の様に許される筈もなく、大きな拳が襲った。


その巨拳が再びウリュウの頭上に迫った時──


「畏まった」


水面を蹴り上げ、爆速で割って入ったのは桃ノ果実であった。


微動だにせず漕ぎ続けるウリュウを他所に、刀を構える桃ノ果実。


そして今正にここに、桃ノ果実VSだいだらぼっちの激闘が始まった。


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