指南
金閣城 大広間
ドンと構えたお城にこれまたドンと構えた精悍な男。
彼は先にあった決闘の末、自らの敗北を認めた。
一派の者達も同様に超えることの出来ない力量を前に棟梁の敗北を受け止めた。
そして事は動く。
「みっともない事と承知で頼み申す。
妖の討伐に助力を求めたい」
頭を下げ懇願する桃ノ果実。
「はなからそのつもりだ。
しかし毎月来るっていう鬼の原因は分かっているのか?
このまま倒し続けていても不毛だろ」
ウリュウとしても始めからそのつもりで出向いた訳だが、無駄な戦いは避けたい。
「あらかた予想は付いている」
しかし以外にもその原因は予想出来ているそうだ。
「なんだ?」
「鬼ヶ島……」
彼はゆっくりと語り掛ける様に話し始めた。
事の始めは手名椎から聴いた事と同じ様な内容だった。
彼らも同じくして巫女を村から追いやったそうだ。
そして話しは続く。
次の月より妖が襲い始めた。
この時も女子を攫い去っていった。
それから日が経つに連れ海域は荒れ空には雲が掛かった。
古くからこの地で海域が荒れれば厄災の前兆とし、忌み嫌う。
それは大昔よりこの地を襲った八岐大蛇。
その前災を連想される為。
そして突如現れた見えざる英雄はその大厄災を吹き飛ばせば当時の巫女はとある島へ残った魔素を封印した。
その島こそ【鬼ヶ島】。
以来決して近寄ってならない禁忌の島。
しかしこの異常事態にこの島の関連はどうしても拭い切れなかった。
そして桃ノ果実は少数の一団で調査する様に命ずる。
彼らが出航して数週間。
待てど暮らせど帰って来る事はなかった。
行く月も行く行く月も妖は否応無しに襲い来る。
その時には既に島の調査に分け与える人員など存在しなかった。
死力を尽くしこの地を守り続ける彼らにも限界が近い。
そんな折、尋ねてきたのがウリュウと言う訳だ。
「妖が襲いに来る事が多いのは満月の刻。
そして次の満月には二週間程ある。
この期間を用いて我々の願いは二つ。
ひとつは稽古を付けて欲しい。
もう一つは鬼ヶ島への調査に協力して欲しい」
「分かった」
こうして彼らの指南役として就いたウリュウ等と共に桃ノ果実の一派の修行が始まった。




