いかづち
──ペルーン。
その打撃の応酬は当に千を超えた。
始めの内はペルーンの打撃が一方的に入り、人数の不利を感じさせない程の戦闘を見せていた。
しかし、時を経る毎にその連携が増し、徐々に貰う回数が増えている。
「む……⁉︎」
今もまたダージュの付与術式【来電】と豪炎を合わせた拳がペルーンを襲う。
踊る様に繋がる連撃は受け止める毎に火花を散らす。
そしてその流れが正面に向いた時──
「【炎龍の吐息】」
ゼロ距離で放たれる集約された炎。
咄嗟に腕をクロスさせ防御の体勢を取る。
腕を焦がす様な熱を感じるが致命には程遠い。
その炎を放ち終える前に、二つの気配を両サイドから感じ取った。
一方からは脱力した姿勢から放たれる一撃。
一方からは持った得物に雷を纏わせた一撃。
何方も重撃になる事は変わりない。
これを同時に迎え撃つには少々骨が折れる。
一旦体勢を立て直そうとしたその時──
ふわりと身体が浮いた。
それはダージュが放たれる静電気による引力によるもの。
接地を許されない脚。
即ち行動の自由を大きく奪われる。
しかし──
「あまいわ」
ペルーンの磁界がそれを打ち消す。
再び地に着いた脚で後方に跳ぶ。
遅れて二人の攻撃が地面を掠めれば、盛大に砂埃が舞い散った。
距離を保つと彼らを見据える。
「貴様ら……」
その相貌を見据えると先までの違和感が解消した。
彼が凝視したのは三者の瞳。
それは先までの虚ろとしたものとは違い、明らかな彩を見せていた。
「覚悟は良いな」
その言葉に呼応する様に構えを取る。
だがそこには殺伐とした雰囲気はない。
それ処か不思議と愉しげに見える。
まるで武術の稽古。
将又父と子の寸劇を見ているかの様なそれ。
そんな空気の中、先に動きを見せたのは三人の武人。
三者三様に魔素を練り上げる。
相当な使い手が一斉に行ったそれは辺りの空間を盛大に荒らす。
吹き荒れる魔素が集約した時──
「【三重連唱・雷火】」
背後に極大な魔法陣が描かれると、雷と炎の膨大なエネルギーが漏れ出る。
それに合わせる様にペルーンが動く。
「【大雷槌・厳槌】」
頭身の数十倍にもなる巨大な大槌を象ると犇りと握りしめる。
そしてペルーンが地を蹴るのと同じくして、魔法陣から充満したエネルギーが放たれた。
放射された膨大なエネルギーと、凝縮された雷のエネルギー盛大に打つかる。
バジィィィィィン!!!!
交差する豪雷は強烈な轟音と響かせると共に、辺りの視界をホワイトアウトさせた。




