くだくだ書くのは好きじゃないけど仕方ないから描写したやつ
全ての部屋が繋がった。
それは再びの衝撃と共に起きた現象。
流れ去る風圧と共に一方から現れたのは二人の武神。
もう一方は三柱を担う一人と凛とした女性。
不思議な組み合わせだが、その見知った顔はヒョードルの心を落ち着かせた。
一時の目標であった合流。
それを達成したかと思いきや、その空気は何処か重い。
リースは傷付いた武人の治癒に専念する。
そんな中で口を開いたのはペルーン王だった。
「何故貴様がいる」
彼が見据えるのは長ランの男。
「あんたには関係ない。
俺が用があるのはそっちの男だ」
のし掛かる重圧を諸共せずアランが言い放つ。
その視線はウリュウに向けられていた。
「貴様の入国を許した覚えはない」
「禁止された覚えもないけどな」
「小癪な」
「あんたに似たんだ」
重々しい空気の中、戯論を交わす双方を見かね口を挟む男が一人。
「いい加減にしろ。アランは俺の友人だ。
俺らと共に勝手にやる。
親子喧嘩はその後でいいだろ」
そう言い放つ男に視線が集まれば、ペルーン王は徐に踵を返す。
それ以上の言葉は発する事は無かった。
「こうすけ見苦しい所を見せたな。忝い」
「それは構わんが、その名はもう捨てた。
今はウリュウと名乗っている」
「ウリュウ……?そうか君だったのか。
まぁその事は今はいい。
先も言ったが君に用があるんだ」
「悪いが俺を連れ戻すつもりなら断る」
「何故だ……?」
「理由は言うまでもないだろう」
「……心情は察する。だが頼む。
今は国政が安定してないだ!」
言い放つアランは「二人で話したい」そう付け加えると、ノースキリトの現状について語った。
こうすけ、そしてイスラーが追放されてから数ヶ月。
国王の容体が急変した。
原因不明の体調不良の末、国政のトップとして責務全うする事が困難になった。
故にその王位を継承する事を選択した。
当時、継承権のある者はアズラー唯一人。
独り身だった彼女は女性でありながら唯一の存在として女王として即位した。
アズラーは先ず治安の安定の為と国税を上げた。
それは近年増加していた賊への抑止力を高める為。
しかし実際の統括はギルドに丸投げし、その国税の殆ども分け与え事は無かった。
からにしてギルドの仕事量は大幅に増え、魔物の討伐の他、賊の取り締まりも課題とされた。
それから徐々に正規の冒険者は不信感は募り、反感を買う様になった。
当たり前だ。仕事量だけは増える一方で報酬は比例しない。
日が経つに連れ離れて行く正規の冒険者。
その事実はギルドを経て王都精鋭部隊隊長まで上り詰めたアランの耳に入るのも時間の問題だった。
そんな折、圧倒的な速度で任務を遂行する男の噂が広がる。
何度と高待遇の正規の冒険者として勧誘したが頑なに断る謎の人物がいた事はまた別の話。
画して人員不足に悩むギルドを救う為アランは王都精鋭部隊隊長兼、ギルド副長として就任する。
その噂は忽ち広がる。
更に元ギルド員の密告によりその現状が浮き彫りになりつつあった。
そして有識者は民衆に問う。
国力を上げねばならない時に勇者を追放したのは何事かと。
勿論彼女の悪政はこれだけではない。
海賊を減らす為にと航海すれば税が掛かる。
山賊を減らす為にと関所を造れば、通行料として同じく税を取られた。
結果として継続的に払える者は少なく、行商などの職を失う者も居れば、ギルド員の減少も相まって、賊は減るどころか増えて行った。
おまけにその税収の使い道は不透明。
その真相は言うまでもないが、民衆から徴収した税は彼女の贅として消費されたのは想像に難くない。
アランはそんな国政を立て直すべく元国王により密かにな任務を言い渡されていたのだ。
「と言う事なのだ。勿論ただでとは言わない。
それなりの待遇も用意している。
兎に角今は形だけでもいいんだ」
必死に説得を試みるアランだが、彼の顔は緩む事は無かった。
「俺には関係ない。それにイスラーの事はどうした?
先ず先に俺よりイスラーの待遇をなんとかするべきだろ?まぁ今となっちゃ関係ないがな。
兎に角俺は戻るつもりはない」
頑ななその態度に諦め掛けたその時──
「私と結婚しろぉぉおおお!!」
叫び声と共に金髪の少女がウリュウに迫るとドロップキックをカマした。
その飛び蹴りがウリュウの胸部に炸裂するがその体幹はピクリとも動かない。
「──⁉︎」
時が止まったかの様な一瞬の静寂を破る様に胸に掛かる脚をガシリと掴むとそのままブンブンと振り回す。
一頻り勢いを付けると──
──ビタンッ!!
地面に叩き付けられた総身は強烈な炸裂音を奏でた。
補足
王都精鋭部隊
国を守るのが一番の使命。
ギルド
街の依頼を受ける
正規の冒険者
ランクに応じて毎月一定の金額を貰い受ける。
非正規冒険者
その都度依頼を受け、一定の金額を報酬とする。
正規ギルド員と比べて搾取される手数料が多い。




