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接敵



──ペルーン王 ヴォーロス。



バジィィィィン。


耳を擘く様な轟音と共に目を覚ます。


飛び起きた彼の目に映るのは不気味な暗赤色の壁。


そしてその壁は先の轟音と共に深く抉り取られ、焼き焦げた匂いが鼻を刺した。


だが次の目に映るそれはあまりに理解し難い事象。


深く抉れた壁は不気味に蠢くと(たちま)ち元の形に戻った。


「やはり駄目か……」


ポツリと呟いたのはペルーン王。


「王、此処は……」


覚醒した意識を向けヴォーロスが問う。


「起きたか。

 正直儂にも分からん。只確かなのは…


 戦闘は避けれそうにないと言う事だ」


そう言い放ったペルーン王の視線はヴォーロスの背後に向けられていた。


遅れてヴォーロスが振り向けば、不気味に隆起する地面から何かが這い出て来んとしていた。


「ヴォーロス、構えよ」


只ならぬ邪気を孕んだそれは、徐々に纏まりをつけると、人型に(かたど)った。


「ひっひっひ……何千年ぶりかのぉ?」


醜悪な老婆の様な出で立ちで人骨を杖の様にして突くそれは人語を操った。


嫌悪の塊が如く身の毛もよだつ悍まし風貌は、麻の様な不手入れな白髪に大きく垂れ下がった鼻、歪な隻脚が特徴だ。


そしてそれらの風貌は太古の時代に大罪を犯し、人々に畏怖された──



「バーバヤガーか……⁉︎」



極悪非道の魔女、其の者であった。



ペルーン王が表情を崩すのはいつ振りか。


兎に角相対すそれはそれだけの脅威を持った敵である事は確か。


「美味そうじゃなぁ…ひひっ」


長い舌でペロリと舌舐めずりをすると不気味に嗤った。


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