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死の影


少年の奇襲という予期せぬ事態があったが、なんとか誤解を解き、新たな情報を手に入れた。


少年の名は『ヒョードル』と言うらしい。


この集落には『死の影』の脅威が迫っている為、避難勧告をしに向かっていた言う。


『死の影』とは恐らくジェノサイドタートルの事で、間違いないだろう。


国によって名称が変わって来る様だ。

他にも地域によっては『黒い神』とも呼ぶ。


そしてこの少年がこの地に訪れた時には既にあの有様だった様だ。


一通り説明をしてくれた後、『死の影』討伐に助太刀したいと伝えると本土に連れて行く約束までしてくれた。

有難い限りである。


「なぁ兄貴。兄貴はなんでそんなに強いんだ?」


「…………。」


こいつを一蹴してからと言うものなにやら妙に慕われてしまった。

だが俺はこいつの兄貴になったつもりはない。

面倒臭いからシカトする。


「あにきぃ、おい、あにきぃ。

 聞こえないのかぁ?」


「…………。」


「はげ」


「あ゛ぁん」


聞き捨てならない言葉を耳にし、先を歩いていたウリュウは上半身を仰け反らせ、背後のヒョードルに向け、まるで見得を切るが如く険しい相貌をくれた。


「聞こえてんじゃん!」


「うるせぇ。大体俺はお前の兄貴じゃねぇ。

 後次ふざけた事言ったら仙骨粉々になるまでおしりぺんぺんだからな」


「お、おう合点承知だぜ兄貴」


下らない会話を繰り広げながら道中を行く。


そして少し進んだ頃──


ウリュウがいち早くそれに気付いた。


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