表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/220

少年


「パァーーーン」


軽快な音と共に飛び出して来たナニカは、十数メートル程吹き飛んだ。


「ウリュウ、ちょっとやり過ぎでは?

 こんなに幼い子を引っぱたくなんて……」


飛び出て来た者はなんと、まだ幼い少年だった。


黄金色の坊主頭で肌は雪の様に白く、吸い込まれそうな青い目をしていた。

そして何処と無くアランやエレナと似た顔付きに思えた。


「いや、思ったより速くてな」


彼としては鬱陶しい蝿を(はた)く様に、手の甲による鞭打を放っただけだ。


だが迫り来る少年の速度が思いの外速く、カウンターの要領で決まってしまったが為、結果として吹き飛ばされただけの事だった。


あの速度にカウンターを合わせる技量は計り知れないものがあるが、彼にとっては不本意であった事には間違いない。


「それにしても、あの子今同胞の仇って……」


「あぁ確かに聴こえた」


突如として出来た疑問を解消すべく、少年に向け問いかける。


「坊主、今同胞の仇と言ったか?

 それはどう言う意味だ」


地に伏せた少年は満身創痍の身体を起こす。

その瞳には恐怖が垣間見れた。


「う、うるさい!町のみんなを返せ!

 お前達が連れ去ったのだろう!

 俺はまだ本気をだしてないんだぞ!

 今なら許してやる!」


その声色は震え、誰が見ても怯えていると分かるものだった。


「それは間違いだ。俺達はこの町を襲ってなどいない」


「嘘を…嘘をつくな……じゃあなんでこんな極寒の

 地でそんな薄着してんだよ!

 どうせ魔物が化けているのだろう!

 それに頭だってハゲているじゃないか!」


「あ゛ぁん?」


「だっておじいちゃんも言ってたんだ。

『これまで幾千と強きモノと戦って来たが、ハゲには勝てん。

 あれはこの世で一番恐ろしいもんだ』って……」


ウリュウが凄んでやると、少年は焦った様に早口で語った。


「おい、クソガキィ。お前に二つ良い事を教えてやろう。

 一つ目は寒さに勝つコツだ。

 こいつは至極簡単だ。

 スバリ言うと気合いだ。それしか無い。

 更に二つ目だ。これは大事な事だからな、絶対に聞き逃すなよ──」


ウリュウは含みを持たせた口調で話し、たっぷりと間を取ると、



「ハゲってのは強い奴の証拠だ」



そう言い放った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ