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裁判



──王城、王の間。



俺の目の前には両腕を背の方で縛られ、自由が効かない状態にさせられた女性が居た。


「国王、これはどう言う真似だ?」


昨日の今日。


周りは大勢の貴族に取り囲まれ、荘厳とした雰囲気に包まれている。


中には精鋭部隊隊長のアランやエレナ、王都直属の医師ガイアの姿まで見受けられた。


「これより、イスラー・ノースキリトの公開裁判を執り行う」


国王がそう言い放つと、持っていた木槌を叩いた──


ーーーーーーーー


その日はイスラーと別れると、ガイアに呼ばれ1日安静にする様に言われていた。


だが鈍った身体はどうも歯痒いもので、運動せずには居られなかった。


と言っても激しい運動はやはり無理がある為、軽めの筋トレとそれに平行して本日から新しいトレーニングを取り入れる事にした。



座禅である。



座禅は心を無にし、煩悩を取り除いてくれる。

クリアになって行く思考は、身体に流れる気をより一層感じさせた。


どうやらあの異形との死闘によって、俺にも気を扱う事が出来る様になったみたいだ。


夜風に当たり極限にまで神経を尖らせる。

更に内から漏れ出るエネルギーを体内に留める様に気を練って行く。


その練度が増して行く毎に、より身体が一体と化して行く。


一体と言うのは生を受けた時より駆使している四肢の感覚だけではない。


頭髪の毛先から土踏まず、或いはその身に纏った衣類に至るまで、神経が行き届いているかの様な一体感を感じると言う事だ。


冷んやりと肌を撫でる夜風が通ると、一本の毛髪がゆっくりと落ちて行くのが分かる。


こうして2時間程鍛錬をした後、寝床に着いた。


翌日目を覚まし、日課の筋トレと朝食を食べ終えた頃だった。


王城の、近衛兵から一報があり、王の間まで来て欲しいとの事だった。


先導されるがままに近衛兵の後を追う。


王の間の手前。


ノースキリトの紋章が彫刻された絢爛な両開きの扉を開かれると、歩を進めた。


俺は辺りを一瞥すると──



「国王、これはどう言う真似だ」



そう言い放った。


「これよりイスラー・ノースキリトの公開裁判を執り行う」


木槌を叩く音が木霊する。


「見ての通りだ」


国王は淡々とした口調でそう続けた。


そして今に至る。


明けましておめでとう御座います。


本日より徐々に連載を再開して参りますので、今年もどうぞよろしくお願い致します。


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