異変
おかしい。そう思ったのは、こうすけと別れて間も無くの事だった。
こうすけの訓練の為、意図的に数体を残して二手に分かれた。
私にとって、この程度の魔物を倒す事など雑作もない。
早々と掃討し、こうすけを見守るつもりで居た。
「多すぎる」
ひとりごちる。
辺りを見渡すと、無数の小鬼に囲まれていた。
「【落雷】【炎の槍】」
上空に出現した魔法陣から眩い光が放たれると、広範囲の小鬼を灰とかした。
続け様に魔法を唱えると、正面に魔法陣が出現し、そこから放たれた無数の槍型の炎が小鬼を襲った。
「切りが無い…」
手応えはあった。
しかし、湧き水が如く湧いて来る小鬼に思わぬ苦戦を強いられていた。
こうすけの安否が気掛かりだ。
早急に向かって確認しに行きたいが、大量の小鬼を連れて向かうのは危険すぎる。
ならば魔素の消費が激しいあれを──
その時だった。
「ドゴォォォォォン」
凄まじい衝撃波と共に周りの小鬼が吹き飛ばされて行く。
「一体なにが起こっているの⁉︎」
嫌な予感が頭過ぎり、こうすけが居た方角へ走り出す。
残った小鬼が道を塞ぐ様に立ちはだかった。
「邪魔よ──【空気砲】」
不可視の弾が小鬼達を撃ち抜く。
一直線に道が出来ると、すかさず魔法を唱えた。
「【炎の壁】」
一面に炎の壁が囲う様に出現し、小鬼達の進行を防いだ。
「これで暫くは大丈夫」
一抹の不安を抱き、焦る気持ちで駆け出した。




