表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/16

三話 ダンジョンにて

 その部屋から出ると、広くて長くて豪華な廊下があり、そこをしばらく歩くと両側に騎士みたいな人が立っている大きな扉が見えてきた。そこに付くと騎士みたいな人達が開いてくれ、その先にはおそらく王様だと思われる男の人がいた。


「よくぞ来てくれた勇者様方。色々と聞きたいこともあるでしょうが、とりあえず説明致しますのでどうかそれだけでも聞いてくださらんか?」


 王様がそう言うと周りの人たちが驚いていた。多分王様がここまで下手に出るのが初めてなんじゃないかな?と思う。


「では聞かせてください」


 大田がそう言うと王様は嬉しそうな顔をした。てかなんで大田が仕切ってんだよと思わなくも無かったが、言ったところで意味がないと思うのでとりあえず話を聞くことにした。


「まずはここはグラン王国の王都である都市グランです。今回勇者様方をお呼びした理由は邪人を討伐していただくためです」


「邪人とはなんですか?」


「邪人とは既存の種族が変化し、出現する種族です。一種の転生ともいえるかもしれません。【ステータス】と言ってみてください」


 王女様がそう言うと周りから一斉に【ステータス】という声が上がった。

 ステータスと言った途端、目の前に半透明のウィンドウが現れた。


名前  高杉 翔


種族  人族(ヒューマン


レベル 1


職業  


体力  200/200


魔力  400/400


攻撃  80


防御  150


魔攻  100


魔防  200


俊敏  90


知力  150


運   50


通常(コモン)スキル




希少(レア)スキル

全言語理解



固有(ユニーク)スキル



種族固有(人族)スキル




称号

異世界人 忍耐の勇者


加護



「それがステータスです。種族の欄の人族とあり、その横にヒューマンとあると思います。この二つで現在の種族を表しているのですが、邪人はここに邪人としか書いていないのです。これは邪人が生物の進化を司る神を含めた邪神以外の全ての神に見離されているからなのです。本来であれば神々に見離されてしまえばスキル等も消えてしまうのですが、邪神は邪神の加護を持っています。そのため、邪神の力で代わりとなるスキルを与えられています」


 ステータスは高いのかこれ?聞いてみるか…


「すいません」


「なんでしょう」


「ステータスの平均はどのくらいなんですか?」


「鍛えていない一般人でだいたい100から高い人は200くらいです」


 え?ということは俺は一般人かそれ以下ってことか?


「皆さん。ステータスの確認が終わりましたら私達がステータスを確認しますので【ステータスオープン】と唱えてください。周りに開示できます」


名前  大田 浩二


種族  人族ヒューマン


レベル 1


職業  


体力  1000/1000


魔力  1300/1300


攻撃  800


防御  900


魔攻  700


魔防  750


俊敏  300


知力  300


運   1200


通常(コモン)スキル

剣術レベル1



希少(レア)スキル

全言語理解



固有(ユニーク)スキル

聖剣召喚レベル1

聖剣術レベル1



種族固有(人族)スキル



称号

異世界 剣の勇者


(はっ!?おかしいだろ!?一般人の倍以上!?)


「これは素晴らしい!皆さん高いステータスです!特に大田さん、あなたは素晴らしいですね。レベル1でDランク冒険者とほぼ同等とは……」


 冒険者?


「冒険者とはなんですか?」


「冒険者とはギルドに所属し、魔物を討伐したり、素材を採取してきたりなどの依頼をする人たちのことです。魔物のランクと一緒で、EX〜Hまでありますが、今まででEXになったことがあるのは初代国王様だけです」


 なるほど、いわゆるラノベの冒険者と同じか。


「分かりました。ありがとうございます」


「あと高杉さん、後でここに残ってください」


「?分かりました」


 その後皆は部屋に案内されたが、俺は残っていてくれと言われたので残っていた。


「早速ですが高杉さん。あなたは勇者ではありません」


 え!?


「ちょっと待ってください!称号のところには忍耐の勇者というのがあります!」


「勇者専用のスキルを持っていないうえ、ステータスも一般人と同等かそれ以下のあなたを勇者として扱うわけには行きません。明日のダンジョンでの訓練には行ってもいいですが、こちらの準備ができたら即、出ていってもらいます」


「……分かりました」


「では部屋に行ってください。案内してあげて」


 その後案内してもらった部屋で悔しくて泣いて、気づいたら寝ていた。


 次の日、朝起きたらご飯を食べてすぐダンジョンに向かった。ダンジョンとは魔力が溜まりに溜まったときに発現するもので、中はモンスターがいるらしい。

 その後、みんなは協力しながら、スケルトンやスライム、ゴブリンといったゲームでは有名な初心者用のモンスターを倒していった。


「まずい!囲まれた!」


 とある部屋に入った瞬間、周りにスケルトンが大量に湧いて周りを囲まれてしまった。なんでもモンスタールームという、稀にあるモンスターが大量に湧く部屋らしい。僕は戦えないため、怖くて後ろに下がっていると、急に後ろから強く押されて、スケルトンの中に突っ込んでいってしまった。


「みんな!高杉君がから伝言だ!『時間を稼ぐからみんな逃げてくれ。』だそうだ!彼の決意を無駄にしてはならない!急いで逃げるぞ!」


 後ろで大田がそう叫んでいるのが聞こえた。どうやらあいつは僕を囮にして逃げるつもりらしい。

 ふと前を向くと、スケルトンソルジャーの剣が目の前に迫っていた。

 その光景を最後に僕の意識は途切れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ