表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/16

十話 脱出

結構短いです。


ステータスを増加させました。少し低すぎたので

 大部屋の中心では相変わらずリッチが静かに佇んでいた。ただ先ほどまでとは違うのは、どう考えても高威力の魔法を使うとしか思えないほどに魔力が高まっていることだろう。僕は急いで障壁を張った。次の瞬間リッチの杖から黒いレーザーが発射された。そのレーザーは、障壁にぶつかると一瞬で障壁にヒビを入れると、数秒後に破壊した。僕はその数秒の間になんとか回避に成功した。レーザーは、壁に激突すると爆破はせずにそのまま貫通した。壁には大穴があいた。

 僕はそれを見て背筋が凍った。あんな物を食らったら下手をすれば一撃で体力が全て削られかねない。ただ、リッチはあの魔法を放ったからなのか、魔力がほぼなくなっているようだった。僕は急いで魔道具を起動させると、リッチから絶えず放たれていた暗い靄のような物が吸収され、代わりに強い魔力を放出させ始めた。と言うかこれ、聖属性の魔力を扱える僕だから無事なのであって、他の吸血鬼とかなら大ダメージだったんじゃないかなぁ…?

 リッチは膝と手をつき、立ち上がろうとするが力が入らないようで、骨なのに何故か焦っているように見えた。

 僕はリッチに近づくと、聖属性の魔力を纏わせた日蝕を一気に突き出し、背骨と肋骨の隙間から障壁とともに核を貫いた。すると核は崩れて砂になり、リッチも体が崩れていき、最後にはただの骨の山になった。

 僕はそれを見届けると、後ろに倒れ込んだ。


「ふー!キツかったー!」


 頭の中にインフォメーションが流れてきた。

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

【レベルが上がりました】

……………

 かなり長いレベルアップの通知が終わると、僕は例の部屋に残してきた大きな袋を回収するために部屋に向かいながら血滅を収納しようとすると、視界の端で何かが光った。そして不思議に思い見てみるとそこには、刃の付け根の部分に赤い珠の着いた日蝕があった。


「え…?…なんかついてるー!?」


 僕が思わず叫んでしまうと、珠が光り、頭の中で声がした。


『やかましい。もうちょい静かにしてくれ。こっちは寝起きなんだ。』


「………は?」


突然頭の中に響いた声に驚きとてつもなく間抜けな声を出してしまった。おそらく顔も間抜けになっていることだろう。


『何急に間抜けな声出してんだ?顔も間抜けになってるぞ?』


「…………ああ、幻聴か。きっと疲れてるんだな僕。さてステータスを確認して袋を回収したら外に出るか。そしてそのまま宿屋でも行って寝よう」


『待て待て待て。現実逃避をするな。幻聴なんかじゃないのは分かってるだろ?』


「知ってるよ!知ってて誤魔化してるんだよ!てかお前誰でどこにいるんだよ!どこにもいないじゃん!」


せっかく人が現実逃避しようとしてたのに!


『探しても無駄無駄。俺はリッチだよ。この刀に宿らせてもらった』


「は?リッチはさっき僕に核を貫かれて消滅しただろ?何を言ってるんだ?たしかにこの赤い宝玉はリッチの核とそっくりだけど」


そう、リッチは確かにこの手で僕が核を貫いて倒したはずなのだ。普通核を破壊されて魔物が生きているはずがない。


『まあ確かに危なかったな。起きたら直ぐに消滅の危機だぜ?咄嗟に死霊魔法を発動させて意識の宿っていた迷宮核ダンジョンコアごとこの刀に宿らなきゃ危ないとこだった』


「おい!人の大事な大事な日蝕に何をしてんだ!てか迷宮核ダンジョンコアって何だよ!」


『血滅?』


「この刀の名前だよ。かっこいいだろ?」


『…うん…まあ…そうだな…感性は人それぞれだもんな!』


「おいこらどういう意味だそれ。てかそれより迷宮核ダンジョンコアって何?」


『読んで字のごとく、迷宮ダンジョンコアだよ。迷宮主ダンジョンマスターが守っていて、これを破壊されるとダンジョンは崩壊する。ダンジョンマスターは要はダンジョンのボス、つまりさっきまでの俺だな』


し、知らなかった…


「ん?待てよ?ってことは今ここのダンジョンマスターなのって…」


『お前だな』


「やっぱりか!嫌だー!めんどくさいー!」


『お、落ち着け。別にダンジョンマスターだからといって一つを除けばなにかデメリットがあるわけじゃない。その唯一のデメリットもこのダンジョンのモンスターでは経験値が得られなくなるというだけだ。それもお前の仲間は普通に経験値を得られるし、ダンジョンマスターならモンスターに簡単な命令をすることやこのダンジョンの中に自由にワープ出来る能力、更にはダンジョン内ならどこでも見ることができる能力が手に入る。メリットも多いだろ?』


まあ確かにいいかも。


「なあリッチお前って名前ないの?」


『無いな。生前の名前なんてとっくに覚えてねーし。まあ呼びやすいように呼んでくれ』


「んじゃリッチで。どうやって転移するのか教えてくれない?」


『ただ転移先を思い浮かべて迷宮転移ダンジョンワープと唱えればいいだけだ』


「そうか。別に入り口の前とかにもワープ出来るんだよな?」


『出来るがみられると面倒だし、どこか目立たない場所にしておいたほうがいいぞ?』


「いや、さっき見てみた感じでは今どうやら夜で誰もいないみたいなんだよ。だから大丈夫かなーって」


『まあそれならかまわんが…何気にもう能力使いこなしてんな』


「迷宮転移!」


一瞬で景色が変わり、目の前には久しぶりに見るダンジョンの入り口があった。


「そういえばステータスってどうなってるのかな…。」


名前  カケル


種族  吸血鬼族(純血種)


レベル 45/50


職業  


体力  25000/25000


魔力  20000/20000


攻撃  13000


防御  11000


魔攻  15000


魔防  10000


俊敏  12000


知力  15000


運   1000


通常(コモン)スキル

危険察知レベル2


希少(レア)スキル

全言語理解


固有(ユニーク)スキル

影魔法

????


伝説レジェンドスキル

魔導黙録(アカシックレコード)レベル1


種族固有(吸血鬼族)スキル

慧魔眼

(看破眼 魅了眼 催眠眼 夜目 魔力視)

蝙蝠化

吸血

血魔法

眷属化

不老不死

日光弱体

自己再生

MP自動回復

HP自動回復


称号

異世界人 死を経験したもの 魔導の深淵を知るもの


加護

魔神の祝福


まだ進化はしてないか…


「なあリッチ。吸血鬼って何か進化条件とかってあるの?」


『真祖以上に進化するときはあるらしいぞ。』


「ありがとう」


さあ、新しい冒険の始まりだ!と昔どこかで見たセリフをつぶやきながらダンジョンの外に出て蝙蝠化で蝙蝠になり、そのまま飛び立った。


「なあリッチ!このへんで王都以外で一番近いのってどこの街だ?」


『近くにモトヤマという昔の勇者が作った街がある。名前もそのままモトヤマだ。』


「分かった。じゃあそっちに行こう!」


そして僕は夜空に消えていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ