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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。
この連載作品は未完結のまま約6年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。

被食者系主人公

作者:遠山風車
他人の不幸は蜜の味。それがこの物語の主人公――美川京の信条であった。

明確に悟ったのは、兄が挫折したときだった。誰もが沈黙し、食事に手をつけない重苦しい空気に包まれた晩餐。空気に耐えかねた両親と兄の会話が口論に発展し、最後には部屋に逃げる兄とそれを追いかける両親。一人残されたテーブルの上で食したステーキは、まさに――極上の蜜の味であった。
それこそが、流されることしか知らなかった美川京という人間の本当の始まりだったことは彼自身しか知らない。

兄の挫折から2年後、京は日常を楽しんでいた。日々苛立たしいことは多くある。しかし、世の中そう捨てたものではない。そこら中に不幸は転がっているのだから。わざわざ突き落とさなくても、勝手に転げ落ちていくものばかりだ。あとはそれを見て楽しむだけでいい。地球にやさしい、とてもエコな趣味である。最近は暴徒化事件などという愉快な事件による被害者も多く出ており、不幸に事欠かない。
まこと、良き世の中になったものだなぁと京は世界をあざ笑う。

しかし、彼は気づいてはいない。
対岸の火事と見て笑っていることの危険さに。
今まさに、自分の足元に火種が転がっていることに。

そう――神はすべてを見ているのだ。
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