表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18歳で墓に入った俺が異世界概念のチート白猫を引き連れレベルMAXになっちゃいます  作者: 松坂夢衣
[同時進行型] 第〇.五章 レッドツリー 開幕
8/10

プロローグ:泣き止んだのはいつでしょうか、嗚咽が無くなったのはいつでしょうか

赤木日月

15歳。

お日様の日に、月と書いてるなと読む。つまり、ひるな。


それか私の名前です。

とんだキラキラネームですね。

あだ名はひーちゃん。


さて、名前の紹介が終わったので今度は別の話をしましょう。


私には好きな人がいます。

好きな人って言っても、様々な種類がありますよね。

友達として好き、恋愛対象...家族だから好き、恋愛対象外とか。

そんな私の「好きな人」は、恋愛対象でした。

だからと言って叶う恋ではありません。

何せ、好きになったお相手はなんと、なんと...!


いとこの海斗お兄ちゃんだったのです!



海斗お兄ちゃんとの出会いはざっと12年前、私が3歳の時でした。

ある親戚の集まりで、私は孤立してました。

唯一の親戚の友達でいとこの、林花ちゃんも妹の病気で看病するとの話で欠席でした...。

ということで私は完全に孤立してそんな時に話しかけてくれたのは海斗お兄ちゃんでした。


「ジュース飲む?日月ちゃん。」


「は...はい!ありがとうございます」


こんなありがちなシーンだけど、海斗お兄ちゃんとの出会いはこんな感じです。

何で好きになったかって?

まぁ、一目惚れってやつです。


だけど、ある事件が起きました。


海斗お兄ちゃんが死んだ。


そんな知らせを受けたのはつい、2,3日前のことでした。

ショックでしたよ。

そりゃあまぁ。


本当に悲しい出来事でした。

泣き止んだのはいつでしょうか、嗚咽が無くなったのはいつでしょうか。


死因は不明。

葬式には、親戚の会で集まってた親戚が集まって涙を流していた。


そして、葬儀は何もなく終わった。

翌日、赤く腫れた目を擦りながら学校へ行く。

海斗お兄ちゃんが死んだからって普段通りの日常なのだ。


「おはよー!日月!」


明るく声をかけてくれる友達のいっちゃん(森下樹)の声も、耳には届いていなかった。


いっちゃんは良い子だ。

私なんかよりも数倍良い子だ。


誰に対してもしっかり受け答えができ、目上の人に対しては礼儀正しく、挨拶を積極的にし、みんなからの信頼も厚く、ついに生徒会長までにもなった。


親友だ。


よく、こんな私と友達になってくれたなと何度でも思ってしまう。

そのことをいっちゃんに話すと、

「日月は良い子だよー!頭も良くて私に勉強教えてくれるし、私が困った時一番に心配してくれるし、優しくて頼りになるよ!」


そう言ってくれる。

本当に良い子だから、好きな人も言った。

本来なら驚かれ、引かれるはずだったのだが

さすがいっちゃん。

「へー!なかなか面白いねぇ。応援してるよ!」


そう、言ってくれたのだ。


だから今回も、海斗お兄ちゃんが死んだことを言ったら慰めてくれるだろうか。

そんな期待も込め、口を開けた瞬間


巨大なサイレン音が響いた。



トラックだ。

まずい、いっちゃんの方に向かってる。

こっちは歩道なのに。

何で。どうして。


いや、ちがう

守らなきゃ。


いっちゃんはダメだ。

生徒会長のお仕事が残ってるじゃない。

まだ先生に挨拶してないじゃない。

まだ友達におはようって言ってないじゃん。

ダメだよいっちゃんが死ぬの。そんなの、私が許さない!


私は思いっきり、いっちゃんを押し出した。


ここで、私の意識は一旦途切れます。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ