第2話 草原から白猫と共に
そこには、広がる空と豊かな大地があったのです...!
「にゃあ。」
空気を読まないその声にハッとする。
手に抱きかかえていたのは、白猫だった。
何なんだ?この猫は。お前も異世界に巻き込まれてしまったのか。
「にゃあ。にゃにゃにゃにゃあ。」
子猫がどこぞやから、眼鏡を取り出していた。
そこには小さな文字で「猫翻訳機」と書かれていた。
どうやら使えと言っているようだ。
装着。
「私の名前はセカンド!異世界です!どうですか?カイトさん。ここがあなたの望んだ世界ですよ!」
そ...そうなのか。
そしてこの子猫が、俺を異世界へ連れて行った赤髪のセカンドとも分かった。
「...と、まずは説明を。」
「説明?何ですか?もう説明したじゃ無いですか〜。ここが貴方の望んだ世界です。まぁ、明確に言うと貴方が望んだ世界に近いイメージの世界なのですが。」
「いやいや。そうじゃなくて。俺は何処へ向かえばいいのか教えてくれ。」
「へ?そんなの知りませんよ?自分が思うがままの道へ進んで行ってください!」
「....まぁ、南の方へ向かうよ。」
使えない。
とりあえず南の方へ向かうことにした。
何があるかは分からないが
早く草原を抜け出して、おれが望む世界ならば、きっとそこには、いずれ永遠の絆で結ばれた仲間達が.....
待っているはず!
「あ。カイトさん?そっちは南じゃなくて東ですよー!」
「....いいんだよ。もう。」
東にルートを変更した。
真っ直ぐ進むこと15分弱。
改めて質問。
「お前何なんだ?何で猫なんだ?初めて会った時は少女の形だったじゃん」
「ふっ。この姿は仮の姿でござんすよ。カイトさん。本当はもうちょっと優雅な姿になる予定でしたが...」
「そうか。そうか。」
「真面目に聞いてます!?いくら、神々しいセカンド様も怒っちゃいますよ?」
「で、何ができるんだ?」
「そうですね...。食料の捕獲?ステータス確認などですかね」
「おー。ステータス確認は使えそうだな。食料の確保もこの状況では持ってこいだ!」
進む事40分。一向に草原から抜けない。
「おい。どうなってんだ?どれだけ進んでも草原から抜けられないぞ」
「あ。言い忘れてました!私にはマップ機能が搭載さていました!」
「早く言えよ!」
「ここから先、約10分で草原から抜けられます!」
俺は少し小走りで10分間歩いた。