第2話 赤木、自分を見る
ヒルナはゆっくりと目見開いた。
「ここは...?」
そして無意識のうちに髪の毛を触っていた。
「ん?」
そして、変わった自分の地毛に驚く。
「ひぎゃあああああああああ!うぉ、ふぉべらぁ」
肩より少し長かった髪の毛は腰まで伸び、髪の色は薄くも濃くもない、純粋な赤色になった。
ヒルナは自分の体を見回す。
すると、胸は前よりバストアップしていてウエストはきゅっと引き締まっていた。
服装は...白のワンピースに赤いずきん付きケープだ。可愛い。
赤ずきんぽかった。
そんな自分の姿を見て、さらに驚くヒルナだったが
さっきの無理矢理なサードの行動よりはマシだ。とヒルナは思った。
そして手や、足など確認。
顔も見たいが、あいにく手鏡などが無いので見ることができなかった。
左手を見たところで、ヒルナはある異変に気付いた。
「左手の甲になんか書いてある...?」
ヒルナの左手に青い文字が書かれてきた。
「んと...なんて読むんだろ。すてーたす?あぁ、ゲームによくあるやつ。それから、レベル1。弱いってことか。 」
ヒルナは親しみのない文字をさらさらと読んだ。
「てか何で読めるんだろう。見たことない文字なのに?そうゆう所は保証してくれた感じかなぁ?」
ヒルナは川が流れている所を発見したのでとりあえずそこへ行く事にした。
水面に映る自分の顔を見たが、これは驚かなかった。
死ぬ前とおんなじ顔だった。
「轢かれて、顔くじゃくじゃになってたはずなのになぁ...ふふ。なんかちょっと嬉しい」
見ず知らずの世界に来て呑気なことを言ってる自分自身にもヒルナは驚いた。
「うーん。これからどうしようかなぁ。とりあえず東へ行ってみようかな?日本は東にあったもの。」
ヒルナは歩き出した。
慣れてない茶色いブーツが妙にフィットしていた。
「ここは草原?」
少し東に歩いたら、前いた村より草むらだらけだった。
「てゆうか、ここどこなんだろう。そういえば頼れる人もいないし。」
少し休んでまた歩く事にした。
ヒルナは考える。
ここはどこ?という疑問について。
この疑問は少し歩いた所で解消された。
レースアレイド。
どうやら、異世界で初めて目を覚ました国はレースアレイドという名前の国であった事。
村の名前は書いていなかった。
第二の疑問。
言葉わかるの?
この疑問は、ステータスを呼び出した時解消された。
慣れ親しみは無いはずなのに、読める。読めないことはない。
そんな感じ。
ただ、異世界に来てまだ誰とも喋ったことがないので話が通じるかわからない。
第三の疑問
私はなぜここに?
それはいつまで考えてもわからない疑問だった。
その答えはきっとサードが知っているはずだ。
いつかサードと再会を果たした時聞いてみよう。
とヒルナは考えていた。
考えて、考えて。
考えた後には、日が沈んでいた。
赤木日月
15歳の11月20日生まれ。
親友の樹を庇い死亡するが、セカンドの代わりの自称異世界女神のサードに異世界転移される。異世界転生では無いようだ。
髪色が変えられたのはサードの思惑ともされている。
また、カイトのことを慕っており好意も持っている。