プレゼント。
受験が終わるまでは水元君とは会わない。
それを条件として、水元君とはお付き合いを続ける事になった。
「何だそれ? ハッキリしないね」
ナミが私にデコピンをした。
「だって……。 別れたくないって言うから……」
「だからってスッキリしないよね」
「受験終わったら、 色々考えたい」
「まぁ。 あんたの人生だ」
本格的な受験シーズン。余計な事は考えたくないし、水元君とのこれからもまだ分からない。
ただ、まだ好きな人だから。信じたいとも思う。
試験まであと少し。
私は勉強に専念した。
かと言ってもやはり気になる……。
クリスマス間近でもあるし。
「プレゼントくらいいいよね……」
放課後クリスマスプレゼントを買いにフラフラした。
「何がいいかなぁ」
ウィンドショッピングをしていたら、思わぬ人に出くわしてしまった……。
水元君の許嫁の幼なじみ。
やだなぁ。と思っていたら、目が合ってしまい、彼女が私の方へ向かって来た。
「貴女まだ別れてなかったのね。 樹から聞いたわ。 目障りなのよ! 早く別れてくれない?」
道端でそんな事言わなくても……。
「水元君は貴女と結婚するつもりは無いって言ってました。 それに私達は別れないです。 申し訳ないですが、もう関わらないで下さい……」
言ったぞ。私。
許嫁さんは見る見る顔色を変え、今にも襲って来そうな勢いになった。
「な、 何を言ってるのよ‼︎ あんたなんか……」
そういいかけて口をつむいだ。
「やめろよ。 いおりに関わるな」
その声に振り返った。
「水元君……」
「いおり。 捜したよ。 ケータイ繋がらないから心配した」
「あっ。 ごめん……。 何か用事だった?」
「樹! 何でこんな子なんか……」
「やめろって言ったよな? 悪いけどオレ達もう行くから」
私の手を取り、彼女を残してその場を去った。
「ごめん。 また嫌な思いさせた……」
「あれ位別に……。 でも何で私を捜したの?」
「クリスマス会えないから。 プレゼント渡したくて。 付き合い出して初めてのクリスマスなのに、 会えないのは残念だけど。 せめてプレゼントくはいはと思ってさ」
「嬉しい。 ありがとう。 あ! でも私まだ何にも用意してない。 今日何か探そうとしたの……」
「プレゼントはいらないよ。 ただ……。 これからもずっと一緒にいたい。 受験終わるまで会わない約束破ったけど、 どうしても直接言いたくて。 さっきみたいに嫌な思いさせたけど、 ずっと一緒にいたい」
立ち止まり、ポケットから小さな箱を取り出した。
「プレゼント。 受け取って」
差し出された箱を受け取った。
「ありがとう……」
「いおりからの返事欲しい」
そう言われたけれど、まだ考えがまとまらない。
けれど真剣な水元君の顔を見たら、一緒にいたいと思って、好きだと思い知らされる。
不安はまだあるけれど……。
「……一緒にいたいよ」
正直な気持ちを言った。
「これで受験頑張れるよ。 試験終わったら何処か行こう。 ずっと一緒にいよう」
彼が好きだと思う気持ちが一番大切で、一緒にいたいと思えば、迷う事などない。
自分に正直になること。意地を張っても仕方ない。
帰り道。プレゼントの箱を開けた。
「ムーンストーンのネックレスだ」
月のお守り。
「私も何か用意しなきゃな」
やることは沢山ある。
心のモヤモヤは一応取れた。
さあ。頑張ろう。




