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真之

どっちやねん?

作者: 重左衛門
掲載日:2026/06/18

之持か

澄元か

細川之持と氏之の「没年と出生の矛盾」をテーマに、2つの異なる解釈

## 【第1話:生存説ルート】

『死んだはずの守護様が、実は裏で世界を操っていた件について』

「……おいおい、誰が死んだって?」

阿波国、勝瑞城の奥深く。薄暗い部屋で、二十代半ばの細川之持は、届いたばかりの京からの報告書を見て苦笑した。

そこには『阿波守護・細川之持、永正九年に若くして病没』と、大真面目に書かれている。

「殿、大成功ですな」

闇から現れたのは、側近の三好元長だ。之持は満足げに頷いた。

「ああ。京の細川高国の目が俺に向いているうちは、弟の澄元を逃がすことも、力を蓄えることもできん。ならば『阿波守護は若くして死に、国元は混乱している』と敵を油断させるのが一番だ」

そう、之持は死んでなどいなかった。自分自身の死亡届を偽装し、歴史の表舞台から姿を消したのだ。すべては、宿敵・高国を油断させ、弟や甥の晴元が反撃するための「影の司令塔」となるため。

それから数年後。大永の御世。

隠れ部屋に、一人の幼い少年がトコトコと走ってきた。

「父上! 今日も戦術の教えを乞いに参りました!」

「おお、氏之か。今日も元気だな」

之持は愛おしそうに我が子を抱き上げた。世間的には『存在しないはずの、死んだ男の息子』。だが、この氏之こそが、やがて成長し、之持の遺志を継いで「堺公方」を誕生させる若き指揮官となるのだ。

「氏之よ。俺たちが歴史の闇から紡いだ糸が、いつか天下を動かす。お前はその光となれ」

死者となった父親と、あり得ざる生まれの息子。二人の秘密の特訓は、今日も誰も知らない城の奥で続けられていた。

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## 【第2話:養子説ルート】

『兄の家系が絶滅の危機なので、僕の次男を”死んだ兄の子”として転生(偽装)させます!』

「兄上が、死んだ……?」

永正九年。細川澄元は、兄・之持の訃報に愕然とした。阿波細川家を継いだばかりの兄が、子供も残さずに逝ってしまったのだ。

このままでは、名門・阿波守護家が断絶してしまう。それは同時に、被官である三好氏らの暴走を招き、細川家全体の没落を意味していた。

「澄元様、お気を確かに。いま阿波の灯を消すわけにはまいりませぬ」

家臣たちの悲痛な声に、澄元は唇を噛んだ。しかし、自身も京での権力闘争の真っ只中。すぐに阿波へ戻ることもできない。

それから数年後。澄元に次男が生まれた。名を氏之という。

兄の晴元にそっくりな、気の強い男の子だった。澄元はその子の小さな手を握り、決意を固める。

「氏之……お前を、伯父上の子供にする。お前は今日から、”亡き之持の隠し子”として生きるのだ」

それは、歴史を欺く大トリックだった。

出生の年を誤魔化し、周囲の口を封じ、氏之を「之持の実子」として阿波守護家の跡継ぎに据えたのだ。

成長した氏之は、自分の本当の父親が澄元であり、実の兄が晴元であることを知っていた。だからこそ、彼は誰よりも必死に、兄・晴元のために戦った。

「晴元兄上。僕の生まれが偽りでも、この絆は本物だ。阿波の兵は、すべて兄上のために動かそう」

実の兄弟でありながら、表向きは「従兄弟」として振る舞う二人。

歴史の教科書がどれだけ矛盾に頭を悩ませようとも、彼らが交わした「兄弟の約束」だけは、戦国の世を熱く動かしていくのだった。

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二つのタラレバで書いているがノンフィクションの歴史ミステリー

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