表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

財務省褒めちぎり

作者: た官はし令な
掲載日:2026/05/07

 私が今回、この場を借りて紹介させていただく作品のタイトルは、「財務省のトップとしてやってきたが出世欲に負けた信頼していた部下達に追放された私は新政党を作り選挙で大勝ち!政権を取ったので早速財務省解体へ!財務省側についてくれと言われてももう遅い...」である。この小説は「小説家になろう」のみで公開されており、通常の書店等に行っても読むことはできない。

 それでは、肝心の内容が気になるだろう。見たまんまであるが、私の方からあらすじを書いておこう。

 国家の財政を牛耳る財務省のトップとして辣腕を振るってきた主人公・三条 悠真。

 しかし、信頼していた部下たちは裏で結託し、彼を追放。権力争いの末にすべてを失った悠真は、絶望の淵に立たされる。

 だが、彼は諦めなかった。

「国を変えるのは官僚ではなく、政治だ。」

 そう確信した悠真は、新たな政党「新生日本党」を結成。

 財政改革を掲げ、民衆の支持を集め、選挙で圧勝――ついに政権を奪取する!

——かつての部下たちは焦り、すり寄ってくるが、悠真は冷たく言い放つ。

「もう遅い。君たちの好きにはさせない。」

 そして、彼が最初に手をつけたのは 財務省の解体 だった――!

 さて、ここまで読んでいただければ分かる通り、その小説は全く新しい視点から政界というものをズバズバと切り開いている。作者:高橋 れいな氏は政治系ドラマ小説というジャンルに向き合い、処女作でありながら、ここまでの脚本を書き上げた。しかも彼女は二〇二五年の二月という、反財務省の言説が世に広まる前の時期にこれを投稿しており、れいな氏が時代に先駆ける作家であることは明白なのだ。

 この文才の滲み出る小説は、社会問題とも深くリンクし、もはやファンタジーなどの域を超えている。与謝野晶子や平塚らいてうなどの、平和を訴え時代に名を残した女性作家たちのように、二次元の文字の羅列という本そのものの媒体としての性質、そしてその限界を遥かに超克せんとする強き意志が伝わってきた。

 だが、ここまでの私の説明だけでは到底この作品の魅力と、秘められた複数のメッセージを語り尽くすことはできない。

 そもそも作中で主人公は「追放」されるのだ。全てを失いどん底へと墜ちる三条悠真。だが、そこからでも彼は意志の力で政界に復帰した。確かに復讐心が起点というのは褒められたことではないが、立たされた逆境に、理不尽に対して立ち向かうその姿には思わず惹かれてしまう。その上、仲間と協力しながら、暴力などの不当な手段に訴えず、正当な選挙の場で戦う三条は誠実な人間であろう。私の人生一六年に於いて、これほどまで手本にしたい人物像はこれまでなかったと言える。

 れいな氏の思想・信念といったものは、これまた格別だ。彼女はそれを些細な情景などに秀逸に散りばめている。その表現技法は眼を見張るものであった。彼女は政治を出世欲などの昏き部分が蔓延る場所としてえがいておきながら、三条と、彼が新たに募った仲間との協力シーンをえがくことで政治の場に人間の温かさ、華を加えたのだ。一見政治を批判しているが、完全に暗黒面だけではないとフォローを付け足しているようにも思える。つまり、この作品は過激で偏狭な思想を我々に振り撒くかのように見えて、実は政治を相対化し、我々に極めて寛容な視点を植え付ける手助けをしてくれる。そうやって、永田町という到底手の届かない世界に三条悠真という頼もしい仲間とともに踏み入っていく——だから、この小説にはファンタジー的な興奮や夢が詰まっているのだろう。

 以上のような数々の魅力を持つこの作品は「小説家になろう」で無料で公開されているため、是非手に取ってみては如何だろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ