“してはいけない企画”のテンプレート考察?
“してはいけない企画”のテンプレート考察?
□発端
コンセプトの発端は“AIが考えるホラー風”である。この作品(N7630KX)、ホラー作家の私から見ても一級品でサスペンス×腐った虫入りの水を飲む“気持ち悪さ”×スピーディーな展開×蛇口から美沙が出てくるという“ギャグ”×悲しい結末と幾つもの複雑な要素が絡まっている。
特に蛇口のイメージは延々と残る。
□テンプレート化
“猫を撫でてはいけない”(N1261KY)の辺りから、現在の企画の片鱗が覗き始める。テンプレート -- これも引用する小説によって、バージョンが微妙に異なる。序盤の美沙のセリフがヒントになるが、これについては後述する -- が完成したと思われるのが“カブトムシ”(N1362KY)の前後辺りだろうと私は推測している。
□美沙のセリフについて
企画の後半になると、美沙が
「置いてあるものは動かさないでね。ゲーム機は好きに使っていいわよ。蛇口も好きにひねってね。猫とも好きに遊んで。スマホも見ていいし、オ・ナラもしていいわよ。カブトムシを放たれるのは困るけど、鏡は見てもいいし、笹門 優にツッコミ感想をつけられてもべつにいいし、ダジャレも言い放題よ」とやたらと長いセリフを言う(N2542KY)
これは既に投稿した作品を受けてのもので、シリーズを読んだ人なら“ニヤリ”とする演出である。正直に言わせて貰うと……旨いし、実に悔しい。
例え、該当する作品を読んでいなくても「じゃあ読んでみようかな?」という導線が張れる(笑)
つまり、メリットしか思いつかない。
ちなみに序盤の美沙は
「置いてあるものは動かさないでね。ゲーム機は好きに使っていいわよ。蛇口も好きにひねってね。猫とも好きに遊んで」(N1262KY)
とかなり短いバージョンだったので、この部分の描写で“主人公の行動制限”がどれぐらいだったのか等と読み取れる。
果たして、この部分の美沙のセリフがもっと短ければ、どうなったか。
□起承転結の仕組み
最後の締めとして、この作品の起承転結パートを考えてみたい。
起 - 主人公が美沙の部屋を訪れる
承 - 美沙は主人公を案内し、旅行用の荷物を持って部屋から出て行く
(隣の部屋というバージョンも見かける)
という事で、企画の参加者が考えるのはそれ以降、場合によっては“転結”を纏めてしまってもさほど違和感はない。
総合的に見ると、このテンプレートはとても良く出来ている。
私にもこういうのが……一つ欲しい(笑)
※記載のnコードは全て、しいなここみさんの作品のものです。