第13話 ずる賢い執着心
ぼくとリーランド上長はその日、ギルド本部会館三階の第二会議室にいた。ちょっとした打ち合わせに使われるそこは、石造りに漆喰を塗り込んでいる、至って平凡な会議室といった具合だけれど、相対している人物の放つ無言の威圧感のせいだろう。室内はどこか息苦しくて、一刻も早くこの場から立ち去りたい気分でいっぱいだった。
「おい、リーランド」
ぼくらを業務中に突然呼びつけたその人物は、ギルド業務の肩書的には上であるはずのリーランド上長を平気で呼び捨てにすると、縁無しの丸い眼鏡の奥で、眼光鋭く言い放った。
「スコルピからぜんぶ聞いたぞ。おれの長期遠征中に、ずいぶんと勝手な真似をしてくれたみたいじゃねぇか」
リーランド上長は何も言い返せなかった。冒険者に追い込まれたプラーグのように縮こまっていた。豪快で奔放な性格のこの人が、こんなに大人しくしているところを見るのは、これが初めてのことだった。
窓から差し込む西日が顔を照らしつけても、その人物は手でひさしをつくることも、目を眇めることもせず、ぼくらから視線を外さなかった。まるで、モンストルを前にした時と同じような反応だった。狙った獲物は絶対に逃がしてなるものかという、野生動物を前にしたときの狩人のような態度。
椅子に座ったまま組まれた足元を覆うのは、黒い革長靴。下に履いているのは裾を紐で絞った苔色の探潜脚衣だ。枯ノ月であるにも関わらず、上に着ているのは半袖の涼衣。後ろでひとつにまとめた長髪と同系色の、深く謎めいた紫色に染まる大柄の襟制服を肩から堂々と羽織ったその人物は、女性らしい細くしなやかな腕を胸の前で組み、追撃をかけるように舌鋒鋭く言い放った。
「どうした。ダンマリしちまって。商人の国出身らしく、お得意のおべんちゃらで今の状況を説明してごらんよ」
「いまの状況、というのは……その」
リーランド上長が、ぎこちなく笑みを浮かべて続けた。
「いったい何のことか、自分にはさっぱり分からずでして……ダエラさんのご気分を害するようなことは、何ひとつした覚えはございませんねんけど……」
「とぼけるんじゃないよ。うちの優秀な新人をあっちこっち振り回して、パシャパシャ撮っては好き放題にやっているじゃねぇかよ」
そう言って、ばさりと放り投げるように机の上にばら撒かれた、会誌、魔導カタログの数々。表紙や中にベル・ラックベルが使われている。すべてぼくが製作したものだった。
リーランド上長が「ああ」と声を漏らした。気づきと納得、そして、後ろめたいことはなにもしてないという確信の匂いが声に込められていた。
「ラックベルちゃんのことですか。あ、いや。でも」
「でも? なんだい」
「彼女を撮影素材として使わせていただく件については、スコルピ班長からきちんと許可をいただいた上で、こちらも動かせてもろてます。ご本人からの同意書もいただいておりますんで、やましいことは一切ございません」
「よく言うぜ。証拠は握ってんだ」
「しょ、証拠?」
「エルピスの領収書だよ。経理局に言ったらすぐに複製を準備してくれたさ」
上長がよく接待で使う店の名前だった。途端に顔が青ざめていく。
「あのバカが女と酒と金に弱いのは、おれの十分知るところだ。てめぇのやり口は知ってんだよ」
斬って捨てるような口ぶり。しかし図星だったのだろう。リーランド上長は、岩のように固まってしまった。
リーランド上長を見下し、あまつさえ自身の所属する冒険局第五班の長をバカ呼ばわりする、ぼくらの目の前にいるこの狂暴な淑女。
その名を、ダエラ・アルチザールと言った。
《星の金貨》唯一にして最強と名高いS級冒険者。本当はSS級の実力があるのに、昇進にとんと無頓着なまま、とっくに定年を過ぎた七十手前のおばあさん。通常なら余生を満喫するために冒険者稼業から足を洗っても良いはずだが、M・Mが頭を下げてギルドへの残留を願い出たため、嘱託冒険者として後進の育成に励んでいる、強者のなかの強者だ。
「まったく、抜け目のねぇ連中だな。おれの目を盗んでスコルピを抱き込めさえすれば、第五班を丸め込んだも同然だと思っていたんだろ」
ぎしっ、とダエラさんの座る椅子の背もたれが音を出した。
「こっちが新種開拓の助成金が下りるようにM・Mと方々を駆けずり回ったり、測層局の連中と同行してレベル8に潜って竜蛇類のモンストル相手に死力を尽くしているあいだ、てめぇらはあこぎな手練手管を駆使して無理矢理に了承を取り付けて、おれの後輩を振り回して和気あいあいと『おしごと』ってわけだ。お気楽だねぇ。代わってほしいくらいだよ」
「振り回してなんかいません」
我慢できず、声に出した。いくらダエラさんでも、広報宣伝局の仕事を罵られて黙っているわけにはいかなかった。なけなしの誇りがそうさせたのだし、ここで言われるがまま謝罪してしまっては、協力してくれているベル・ラックベルにも申し訳が立たないと感じた。正義は自分たちの側にあるって、傲慢にもそんなことを考えていた。
「たしかに、第五班への口説き方に強引なところはあったかもしれないし、ダエラさんみたいに強力なモンストルと対峙していたわけじゃない。でも、ぼくらはぼくらなりに一生懸命仕事をしています」
リーランド上長が、そこまでにしておけと口にする代わりに、肘で脇腹を突いてきた。けど、それに構わず、ぼくは前のめりになって続けた。
「あなたの物差しで、全部を全部計らないでください」
「へぇ」
ダエラさんが、面白いものでも見るように、紫のルージュが引かれた唇をわずかに歪めた。
「このおれに向かって、ずいぶんと生意気な口を利くようになったじゃないか。それとも、遅咲きの反抗期かなにかなのかい?」
「事実を言っているだけです。ラックベルさんも、ぼくらの仕事に理解を示してくれたうえで、協力してもらっています」
「その点に関しちゃ」ダエラさんが、地面にまで届きそうなほどに長い紫のポニーテールに手をやって、呆れるように言った。
「あいつにも問題があるのは認めるさ。ちっとばかし、はしゃぎすぎだな、あれは」
「ダエラさん。嫌味を言うためにぼくらを呼びつけたなら、仕事に戻っていいですか。こっちも冒険局の皆さんほどではないですけど、それなりに忙しいので」
「おい、トム――」
「なめるんじゃないよ、小童」
ばん、とダエラさんが机を叩いた。皴だらけの手で叩いたとは思えないほど大きな音だったから、ぼくもリーランド上長も、びくりと肩を震わせた。
「嫌味を言うためだけにわざわざてめぇらを呼びつけたと思ってんなら大間違いだ。こっちもそこまで暇じゃないのさ」
再びダエラさんの手が翻って、会誌や魔導カタログの上に別のなにかをばらまいた。
「話ってのは、そいつに関することだ」
見ると、机の上にばら撒かれたのは、何の変哲もない便箋の数々だった。すべて封が切られていて、中身を検められた痕跡があった。
「なんでっか? これ」
「触るな」
おもむろに便箋に手を伸ばそうとしたリーランド上長を、ダエラさんの一言が制した。
「なかに剃刀が入ってるからな」
「剃刀?」
物騒な単語が飛び出してきて、思わず訊き返した。
「歪んだ想いを燻らせた、どこぞの馬の骨が送り付けてきやがったのさ」
「これ全部が?」
「そうだよ」
「その、ダエラさん宛てに?」
いまにして思うと、鈍すぎる質問だったと思う。ダエラさんも、ぼくの勘の悪さに少し呆れつつ答えた。
「このおれに、そんな度胸のあることをしてくる奴がいたら、逆に面白いけどね……残念だがおれ宛てじゃない。ベル・ラックベルだ」
ぼくもリーランド上長も息を呑んだ。
「どうして……どういうことです」
口の中が急速に乾いていくなか、ぼくは喘ぐように尋ねた。
「トム」
ダエラさんは眼鏡越しに、その薄青い瞳を光らせて、ぼくの名を口にした。ここから先に話す内容のひとつひとつを、決して聞き漏らすなよと、暗に告げていた。
「【ニャラーム】の映像広告で、あの娘を使っただろ」
「……はい」
「ずいぶんな反響だったと聞いてるよ。魔導開発局や販売局の奴らは、久しぶりの繁売商品の誕生に相当浮かれていたそうじゃないか」
「ラックベルさんが広告塔になってくれたからですよ」
「そうだろうよ。ただな、トム」
ダエラさんの目が、剣の切っ先のように鋭くなった。
「お前は危険性ってのを考えていたか? あんなに美人で人の良さを醸し出している女の子を、不特定多数の人の目に触れさせるってことの意味を、よく考えていたか?」
ここまで来ると、さすがのぼくも、ベル・ラックベルの身になにが起こったかを理解した……理解したくはなかったけど、でも、ダエラさんの危険性って表現が、想像したくもない事実を眼前に突きつけてきた。机の上にばら撒かれた便箋と、ダエラさんの表情を交互に見やって、その忌まわしい事実を、ぼくは口にせざるを得なかった。
「まさか、追跡行為……ですか」
視界がぐらつきかけたなかで、絞り出したその単語。
ダエラさんが重々しく頷くのを見て、とんでもない事態を作り出してしまったことの責任の重さに、全身が押し潰されそうになった。
「トム。お前の創った映像広告を見て、あの娘に心を奪われた野郎は大勢いただろうさ。そのうちの一人が、地下魔構探索の冒険者も驚くほどの調査力で、あの娘の自宅を突き止めた。そっから先は、この有様だよ」
机の上にばら撒かれた妄執の残骸へ向かって、ダエラさんが顎をやった。
「最初は恋文じみた文章だったのが、あの娘に彼氏がいるってことを突き止めてからは、人格が変わったように文章が狂暴になったとさ。裏切り者とか、地獄に落ちろとか。挙句の果てには、脅迫なのか気を惹きたいだけなのか、手紙に剃刀を入れて送り付けてくる始末でね」
モンストルより、生きた人間のほうがずっと怖い。そうダエラさんは言った。それは、先日の昇格試験で無事にA級へランクアップしたベル・ラックベルにしても、同じだったようだ。
「あの娘が勇気を振り絞って、おれにこの事実を打ち明けたときは、空いた口が塞がらなかったよ。まったく、世の中には斬って捨てる価値のないバカもいたもんだね」
「そんな……」
「落ち着きな。とりあえず、その不届き者はおれが成敗した」
「せ、成敗?」
「安心しろ。殺しちゃいねぇよ。ただ、ちょっと痛めつけて、追跡行為の証拠と一緒に警邏隊に突き出してやっただけだ。いまごろは牢屋にぶち込まれているだろうよ。それに、あの娘もすでに自宅を引き払った後だ。どこに移り住んだか……これは教えられねぇ。知ってるのは、おれと、総務局の上層部と、M・Mだけだ。別にてめぇらを信用してないわけじゃないが、どこから情報が洩れるか、わかったもんじゃねぇからな」
それにしても……と、ダエラさんは汚い虫でも見るような目で、ぼくを見つめた。
「あの猫耳の冠留紗……てめぇにあんな気色悪い趣味があったとはな。ウチの大切な新人冒険者を人形みたいに扱いやがって。反吐が出るよ」
「すいません。それはほんまに自分がやったことで――」と、リーランド上長が机の上に両手を置いて、頭を下げた。
「こいつにはなんの責任もありません。自分の指示通りにトムは動いただけなんです。こいつのことを責めんでやってください」
「いまさら頭を下げたところで、なにかが解決するわけじゃねーんだぞ、リーランド」
「すんません。どんなお叱りでも受けますさかい。部下の教育指導も、これまで以上にきつくやっていきますんで、どうかこの通り、これ以上トムを責めんでやってください」
「わかった。わかったから、頭を上げろよこのバカ」
縋るようなリーランド上長の態度に、さすがのダエラさんも辟易としたようだった。おそるおそる顔を上げた上長の目に、うっすら涙が滲んでいるのを見て、ダエラさんがまた溜息をついた。
「なんだい。泣き落としってわけか」
「いや……すんません」
「泣きたいのはこっちさ。いや……違うな。いちばん泣きたくなるくらい苦しんでいたのは、あの娘だ」
「ベル・ラックベルは……」
ぼくはおそるおそる尋ねた。
「ラックベルさんは、いまどうしてるんです?」
「おれがその質問に答える義務があると思い込んでいるうちは、てめぇもまだまだガキだな、トム」
返す刀で、ダエラさんが続けた。
「あの娘がお前らの仕事に巻き込まれて、どれだけの心の傷を負ったか。あの娘の口から話すならともかく、なんでおれが話してやらなきゃいけない? そもそも、なんでそんなことをおれに聞くんだ?」
「それは、彼女のことが心配だからで……」
「それだけか? てめぇは、あの娘の身の上を心配する素振りをしながら、その実、てめぇ自身の好奇心を満たしてぇだけじゃねぇのか?」
思わず目を伏せた。ダエラさんの舌鋒鋭い問いかけを、すぐに否定することは出来なかった。ベル・ラックベルの身を案じているのは本気だ。でも、本当にそれだけなんだろうか? ぼくにはもう、ぼく自身の気持ちの揺れ動きがわからなかった。
「そういうところが、自分勝手な仕事のやり方に繋がっているんじゃないのか?」
ダエラさんは、散らばっている便箋をひとつひとつ片付けながら、滔々と語り始めた。
「おれはな、地下魔構の探索も、それ以外の仕事も、ぜんぶそいつの自己実現に繋がると考えてる。仕事の命題は、いかにして自分を実現するかってことだ。この社会の中で、自分をどうやって表現するか。それが仕事の本質だ。おれたち冒険者はモンストルを狩ることで、自分を表現する。魔石局の連中は、魔石を造って自分を表現する。販売局の連中は、魔導具の販売手法を考えることで自分を表現する。だがな、お前ら広報宣伝局はどうだ?」
「……他人を使って、自分を表現する仕事です」
「そうだ。図々しいにもほどがあるな?」
吐き捨てるようにダエラさんが言った。
「カタログに人を掲載するのも、映像広告の製作で生きた人を撮画する行為も、他人の肉体を加工して自分を表現するってことじゃねぇか。てめぇらは仕事を建前に、他人の肉体を蹂躙してやがるんだ。それがどれだけ罪深いことか、考えたことがあるのかよ。そんな罪深いことを、自分たちは仕事にしているんだって自覚があるのか? ねぇだろ。だから『お気楽』だと言ったのさ。周りが見えてねぇんだよ。そんな仕事、自己実現でもなんでもねぇ。ただ自分の快楽のためにやっているだけのお遊びだ。てめぇらのくだらねぇお遊びに、おれの可愛い後輩を巻き込んだことが、おれはいちばん許せねぇのさ」
胸の中心を深く貫かれたのと同時、目から鱗が落ちるような感覚だった。正直なところ、リーランド上長が普段口にしている内容より、ずっと広報宣伝局の本質を突いた発言のように聞こえた。
がっくり項垂れるしかなかった。ダエラさんの言う通りだった。どこにも反論の余地はなかった。ぼくは自分のことしか考えてなかった。ベル・ラックベルと仕事ができる。その楽しさに浮かれてばかりで、ぼくは周りが見えていなかった。
そうだ。いい加減に認めるさ。
ぼくは、ベル・ラックベルに夢中なんだ。
でも、彼女のことを女性として好きだから夢中になってる……わけではないと思う。
それ以上に、根深い因縁とでもいうものがあって。それにぼくは雁字搦めになっている。
ダエラさんも、それは見抜いていたらしい。机の上に置かれたカタログの表紙。満開の花のような笑顔のベル・ラックベルの立ち姿をしばらく眺めて、口にした。
「この撮画を見りゃわかる。てめぇがいまだに、あの件を根に持っているってことはな」
とぼけても無駄だぞ、と言外に告げていた。
ベル・ラックベル。彼女がギルドの入会面接を受けた時の第一希望の配属先が、じつは冒険局ではなく広報宣伝局だったという話は、いまではギルドの多くの人たちが知るところになっている。
なぜ、王立養成学校で優秀な成績を修めた彼女が、冒険局ではなく広報宣伝局を当初は志望していたのか。本人に聞いてないからその理由はわからない。でも、彼女がギルドに仮内定した際にそのことをリーランド上長から教えられたぼくは、表面上は冷静さを維持していたけど、内心では小躍りしていた。
ぼくにとって、はじめての後輩が出来るという喜びがあった。十年以上も下っ端に甘んじている、こんなにどうしようもないぼくも、これで一人前の影響紡ぎになれるかもしれない。そんな浮かれ気分を周囲に悟られないよう、努めて冷静に、でも心の中は穏やかで活気ある光に満ち溢れたまま、櫻ノ月の一日を待った。
でも、蓋を開けてみたら、結果は違った。希望の光は権力の前に遮られた。
M・Mをはじめとしたギルドの運営統括委員会の上役が、土壇場になって彼女の配属先を冒険局に変えたのだ。噂によれば、やはり彼女の経歴を考えたときに、広報宣伝局ではなく冒険局の方が良いのではないかという意見が持ち上がったらしい。
本人の希望を無視して配属先を変えるなんて、そんなの言語道断のように思えるかもしれないけど、適材適所という当たり障りのない表現で、彼らの判断は「正しいもの」としてギルド内では扱われた。
ベル・ラックベルは、ぼくの初めての後輩になるかもしれない女の子だった。
でも、その機会は永遠に失われてしまった。
なにをそんなことで? と思うかもしれない。たかが後輩のひとりが出来なかったくらいで、なにをそんなに落ち込む必要があるのだと。
わかっているさ。自分が情けないほどに女々しい性格をしていることは。女々しくて、仲の良い後輩や先輩相手に愚痴をこぼして鬱憤を晴らして、その日その日をどうにか凌いでいるような、男の風上にも置けないような性格をしているのはわかっている。
執着心――ぼくがベル・ラックベルに向けている感情の正体は、きっとそれなのかもしれない。その感情を、ダエラさんは、ぼくの撮画を一枚目にしただけで完璧に見抜いていた。
「ぜんぶをぜんぶ支配できるなんて、思い上がりも甚だしいぜ」
そう言って、ダエラさんは席を立った。リーランド上長は首筋に氷でも当てられたかのような勢いで立ち上がったけど、ぼくはしばらく、その場から動くことができなかった。
「とにかく、ベル・ラックベルはもう宣伝素材には使わせねぇ。カタログにも、会誌にも、映像制作にも、いっさい使わせねぇ。もう二度と、業務上でもプライベートでも、彼女に接触しようとするんじゃねぇぞ。あの娘の指導役をM・Mから言い渡されているおれがそう言ってるってことは、これがM・Mの意志だと思え。わかったな」
その日以来、ぼくはベル・ラックベルに会ってない。




