灯火
たった1つの灯火だけを頼りに
生きてきた。
永遠に続く 黒い夜に
何も見えない 道の上で
聞こえなくて わからなくて
呼んでも 意味のない 一日が
今日も終わって 明日も終わって
そうして 長い時が経って
結局変わらない自分に
打ちひしがれて 立ち直って
また 打ちひしがれて 繰り返して
何も 変わらないまま
大人になって
それでも 同じ夢だけを見ていた。
夢をみるたびに 痛みを感じた。
この痛みは 鋭く刺さって
呼吸を止める。
真夜中に 一人 いるときに
その痛みは 広がっていく。
何度も リタイアしたくなるのに
できなくて
頑張ろうと思う想いに
何も意味はない。
頑張っても 頑張らなくても
同じだった。
この痛みは生涯消えそうにない。
灯火は、その永遠の夜に
たった1つだけ見えるもの。
その灯りを目指すたび
痛みは どんどん 広がって
首が締まって 視界が霞む。
夜を彷徨うことは生きること。
リタイアすることは死ぬこと。
灯火は、たった1つの希望。
希望を目指すと、痛みは広がり
苦しむだけ。
何もできない その夜に
何も進まない その道に
終わりが来るのは いつの日か。