紙飛行機を飛ばす ~失敗~
それから僕たちは博士に連れられて、ミウラ海岸までやって来た。ここで博士は紙飛行機を飛ばそうというのだ。
「準備はいいか」
「ウム、このゴムひもで飛ばすのじゃナ?」
「そうだよ、博士。ゴム紐の先に紙飛行機をひっかけて、ゴムの縮む反動で紙飛行機を飛ばすんだ」
博士は紙飛行機の先端にゴムをひっかけると、それをグイと伸ばし、動きを停止した。
「どうしたの?」
「この姿勢……カッコいいのう」
「博士はそれほど格好良くないから」
「うっ、紙飛行機に色が塗られておるようじゃが」
「あ、それは俺が塗った」
と、金にい。
「そうか、では、飛ばすぞ!」
ゴムひもを放し、博士の手から離れた紙飛行機は、手元で一周ぐるりと宙返りをして、あさっての方角へ飛んでいった。
「「あ、あああ~」」
「おそらく、この紙飛行機に色を誰かが塗ったから、重さのバランスが崩れて、機体の角度が上向きになったんじゃ。わかっておるの」
「覚悟はできたか」
「ウム、金朗君を食っていいぞ」
「博士⁈」
「わしらはこれをもう一度やり直さねばならん。ちゃんとした飛行機を使ってな。ただ来週は雨でわしにも細々した予定があるから、実施は再来週になるかのう。金朗君! それじゃわしらは帰るから、後は頼んじゃぞ!」
「博士!」