メガネキャラ学会 ~何故データキャラはメガネをしているのか?~
本日はお集まりいただきありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
さて、今回は世の中で一般的知られている「データキャラ」についてですね。
まずはお手元の資料をご覧ください。
資料には数名のデータキャラのサンプルが記載されているかと思います。
ご覧いただければお分かりになるかと思いますが、どのキャラクターもメガネをかけています。
いつのころからか、メガネは勉強ができる者の象徴として扱われるようになりました。
漫画やアニメに登場するデータキャラの多くはメガネをかけています。
しかし、言うまでもないことですが、メガネの有無と知能の高さに関係性はございません。
ではなぜメガネ=データキャラという認識になってしまったのか。
これにはいくつか原因がございます。
一つはやはり、メガネをくいっとさせる動作。
あの動作に知性的なものを感じてしまうという錯覚ですね。
”メガネくいっ”はその仕草だけで知的なものを感じさせてしまうという錯覚がございます。
やはりあの動作が一番の原因ではないかと、当学会ではにわかに噂されております。
私自身もですね、この説はかなり有力だと思っております。
人差し指と中指でですね、ブリッジ(メガネの中心部分)をくいっとしたら、めっちゃクールですよね。
あの仕草がたまらねぇ……おっと。
いけませんね。
つい夢中になってしまいました。
ごくごく(水を飲む音
次にですね、やはりメガネの特性によるものがあげられます。
ご存知かと思いますが、メガネを付けたままラーメンを食べますとね、曇ってしまうでしょう?
つまりはですね。蒸気が発生するような状況とメガネは相性が悪い。
つまりは熱。
熱が発生する状況ではあまりメガネが使われていないと言う認識。
これもまた原因の一つではないでしょうか。
血をたぎらせるような暑苦しい展開が続くスポーツ漫画などですとね、どうしても汗で蒸気が発生しますから、メガネがくもってしまうのではと心配に思ってしまう読者も多いのではないでしょうか。
必然的にメガネをかけたキャラクターはベンチなどで応援する機会が増えてしまうと言うのが、最近提唱された新説ですね。
ご存知の方もいるかと思います。
この説の有力なところはですね。
やはりくもったメガネを布でふきふきする仕草が知的な印象を与えるという要素。
これが大きいと思います。
ベンチに腰かけながら落ち着いた様子でメガネをふきふきしていたらですね。
頭よさそうだなぁって思ってしまうのではないでしょうか。
他にも様々な説がありますが。
メガネの持つ魅力的要素が知的な印象を与えてしまうために、データキャラとメガネを結び付けてしまうのではないでしょうか。
では逆に、メガネをしていながらおバカなキャラを演じているケースはあるのかというと。
決してゼロではないのですが……やはり少ないようです。
何故ならですね、おバカキャラというのはですね。
どうしても不良のイメージが付きまとうものです。
不良と言えば喧嘩に明け暮れているわけですから、メガネをかけていたらすぐに割れてしまうのです。
やはり不良とメガネの相性はよくない。
ですから不良キャラがメガネを身に着けるのは避けられる傾向にあるわけです。
さて、ここまで何か質問のある方……はい、そこの赤いふちの眼鏡が良くお似合いのキュートな女性の方。
「素人質問で恐縮なのですが、マフィアやヤクザは不良キャラと認識されないのでしょうか?
あたかも不良がおバカキャラの代表のように語られていますが、不良の進化系であるマフィアやヤクザにはメガネをかけているキャラクターも普通にいると思いますが?」
いい質問ですねぇ。
不良とヤクザなどの反社がどう違うのかと言いますとね。
やはり組織の規模が違います。
学校に数人いる程度の不良とですね、大規模な組織のヤクザとではですね、規模が違うわけですよ。
組織としての規模が。
組織が大きくなればなるほど、参画する人間も増えるわけですから。
メガネをかけたキャラクターも増えるわけですね。
あとですね、これだけはしっかりと覚えておいて欲しいのですが……サングラスとメガネは別物です。
似て非なるものです。
メガネ=データキャラという認識はあるかもしれませんが、サングラス=データキャラという認識は一般的ではありません。
これはサングラスの用途が野外に限られているからと言えるでしょう。
屋内で勉強をするときにサングラスはかけませんからね。
ヤクザ漫画などでサングラスをかけているキャラクターは多くみられますが、データキャラという位置づけではないでしょう。
むしろ、ヤクザ漫画においても、メガネをかけているキャラクターはデータキャラであることが多いと認識しております。
他に質問のある方は?
――はい。そちらの黒縁の眼鏡がお似合いのナイスミドルの方。
「体躯の大きな筋肉質の男性キャラがメガネをかけている場合もありますが、やはりデータキャラという認識になるのでしょうか?」
これまたいい質問ですねぇ。
はい、データキャラという認識で問題ないと思います。
データキャラと一口に言ってもですね、様々なタイプがいるわけでして。
例えば長身でイケメンでありながらメガネをかけたデータキャラや、ふくよかな体系でメガネをかけているデータキャラなども存在します。
一般的にデータキャラは非戦闘系の印象を与えやすいですが、いざとなったら前線に出て戦うタイプもいるわけです。
筋肉=力の印象は間違ってはいません。
しかしながらそこにメガネの要素が加わりますとね、データキャラとしての印象がより濃くなるわけです。
つまりは属性の上書き。
これが起こってしまうわけですね。
メガネをかけたら、どんなキャラクターでもデータキャラになってしまうわけです。
はい。
他に質問は?
……ないようなので、締めに入らせていただきたいと思います。
データキャラはメガネをかけている。
これはまったくもって覆しがたい事実でございます。
データキャラとメガネ属性は切っても切り離せない関係にあるわけです。
メガネをかけたキャラクターがいたら、これはもうデータキャラと考えていいでしょ――あっ。
――失礼しました。
いえ、大丈夫です。
ふぅ……。
すみませんね。
コンタクトを付けているもので、ちょっとした拍子でずれてしまうんですよ。
「あのぅ……」
はい、そこのセーラー服のおさげが似合うメガネの女性。
「どうして先生はメガネを付けていないんですか?」
え?
どうしてって……ねぇ。
だって私はデータキャラじゃありませんから。