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第2話 病院での目覚め

まぶしい光を感じて目を開くとそこは病院の中だった。


「あれ……?生きてる……?」


俺はベットから身体をおこしつつ頭を働かせる。

今のは夢だったのだろうか。

たしか…横断歩道を歩いていたら女子高生に向かって

トラックが――――それで……



「ああ、そうか…。思い出した…。俺はあの女子高生をトラックから庇ったんだ…。」



次々に頭の中に流れてくる記憶の数々。

俺はそれを一つ一つ確認する。



「それにしても、よくあれで助かったよな。絶対死んだと思ったわ……」



俺はそう呟きながら辺をを見渡す。

するとここは、やけに広く清潔な病室の中だった。

そして自分以外の誰も居なかった。



「え?なんで?この部屋俺のベットしか無いんだけど。」


そう。なんとこの馬鹿でかい部屋は個室だったのだ。


「これってあれ?VIP待遇みたいな感じ?」


俺が深刻な怪我をしていればまだ納得できたが、俺はいたって軽症である。――いや、無傷である。



――――そんなことを考えつつ再び部屋を見渡すと、

そこには部屋備え付けの鏡があった。


「もしかしたら顔とかに怪我してるのかもな」


そう思った俺は、確認するために部屋を覗いた。

――するとそこには、とてつもないイケメンがいた。

黒髪短髪で綺麗な二重。そしてキリッとした眉に綺麗な鼻筋。――誰が見てもイケメンである。


「は?え?」


俺は直ぐに後ろを振り返る。

――しかしやはり誰もいない。


再び鏡を見る。

――するとそこにはやはりとてつもないイケメンがいた。


「………」


俺は直ぐさま頭の中で様々な憶測を飛び交わせる。

しかし、最難関大学を出たこの頭脳でも理解できなかった。


「………」


――その時、俺はある記憶を思い出した。

そう。それは唯一の友達と話した時の会話である。


「ま…まさか…いや…そんな馬鹿な…」


俺はその時の会話で、この現象を説明できそうなことを思い出していた。しかしそれはあまりにも荒唐無稽な話である。しかし――それ以外は思いつかない。


「マジかよ…」


そう。その現象とは……「転生」である。


俺はなぜ転生をしたのかを考える。

――――すると、あるフレーズに思い当たる事があった。

――そう、「徳を積む」。つまり善行である。


――恐らく女子高生を命がけで助けたことがそれに相当するんだろう。


あの時は二人とも冗談で言っていたが、まさかの真実だった。


俺は興奮した心を落ち着かせながら思う。

――これ、喜んで良いのか?と。

俺からしたら念願のイケメンになれたのだから嬉しいが、まだ親孝行はしていない。

なのに転生である。親に会うことは出来ないだろう。


「……いや、待てよ。」


そう言って俺は鏡に映る自分の顔を見つめる。


「そうじゃん!俺転生したんだから今の俺にはたぶん親が居る。」


「なら、前世で出来なかった親孝行は今世でやろう!」






――――俺はそう前向きに考えることにした。







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