表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プリズム  作者: 千葉 雛
6/10

第6話 スペクトル

 京都行きの新幹線に乗り込む。二時間くらいの道のりだ。電車等の移動中にただ頭を空っぽにして、目的地につくまで建物が右から左へと流れるのを車窓から眺めて過ごす時間がとても好きだ。だが、みんなと旅行となるとそうもはいかない。早速お菓子交換会が始まっている。トランプでもやって過ごしてあっという間に京都についた。


 せっかくの旅行だというのに、色がついていないので景色を楽しめない。旅館のチェックインを先に済ませる。これから伏見稲荷大社に向かう。修学旅行シーズンともあって高校生が多い。観光客もちらほらと見える。やや葉も紅く染まり始めている。伏見稲荷大社の千本鳥居は圧巻するものであった。隙間から通る心地よい風は季節の変わり目を感じさせてくれる。ふいに頭が痛くなる。意識が飛びそうだ


 「すまない。肩を貸してくれ。」


 「いいですよ。大丈夫ですか?」


 ちょうど隣にいた。快く芽衣が了承してくれた。急に目の前が真っ暗になる。芽衣の声が徐々に小さくなり、意識が遠のく。


 「ねえねえ、みてみて!鳥居いっぱい。綺麗だね。」


 「ね、一緒に写真撮ろ。」


 子供のようにはしゃぐこの人は誰だろう?入院初日にみた女性だろうか。


 「早く撮ってよ、湊」


 鳥居をバックに並んで携帯で写真を撮った。


 「ほんと、写真のときの笑顔下手ね。冗談。かっこいいわよ。」


 俺をからかって笑う。


 「どうしたの?鳩が豆鉄砲を食ったような顔して。二人できた旅行なんだからもっと楽しみなさいよ。」


 さっきまでみんなと旅行に来てたはずなのだが。いったい何の話なんだ。


 「うん。」


 「あっちのほうも見に行こ!」


 彼女が手を握って引っ張る。これが過去の記憶なのか夢なのか分からない。


 また意識が遠のく..


 目覚めると旅館の布団に寝かされていた。


 「おい、大丈夫か。」


 悠斗が心配そうに話しかけた。


 「運んでくれたのか。ありがとう。」


 「お前、急に倒れるからみんな心配したんだぞ。」


 「すまなかった。」


 「みんなはちょうどご飯食べにに向かったぞ。おれもちょうど向かうとこだった。」


 「そうか。ご飯いくか。」


 

みんながいる食事場に向かう。


 「おい、湊おきたんか。大丈夫か。」


 樹が声をかけてきた。まだほとんど懐石料理に手を付けていないのが分かるが。かなりできあがっているようだ。またみんなに迷惑かけてしまったな。


 「あんたあんまり心配かけさせんじゃないよ。」


 木村がちょっかいをかけてくる。


 「本当に。心配したんだから。」


 芽衣が飛びついてくる。


 「心配かけたな。」


 自分の席に着く。目の前にある懐石料理はどれもおいしそうだ。

そして、旅行の二日目に続く。

 

少し遅れてすみません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ