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プリズム  作者: 千葉 雛
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第1話 記憶だけでなく色も失う!?

目覚めるといつもみている天井ではなかった。体は思うように動かなかった。相当長い間眠っていたらしい。寝起きでぼやけた視界の中で誰かから話しかけられた。


「楠さん!大丈夫ですか??ここは病院です。覚えていますか?」


 ここは病院だったらしい。この人はおそらくナースだろう。完全に目を覚ましているが何かが変だ。何も見えない。見えないとはまた少し違う。まるで目を瞑ってしまうほどの光で眩しくて真っ白い世界だった。するとナースらしき人が話しかけてきた。


「精密検査の結果特に異状はなかったので体力の回復次第、退院できますよ」


 これは異常ではないのかと不思議に思った。そもそもなぜ病院にいるのだろうか。思い出そうとすると頭がひどく痛い。記憶が全くない。自分の名前..

思い出せない。さっき楠と呼ばれたので恐らく自分の苗字なのだろう。

記憶はそのうちどうにかなるだろう。目が見えないことをまず伝えよう。


「あの..」


 すると扉を開ける音とともに男性の大きな声で俺とナースの会話は遮られた。


「目覚めたんだって!?大丈夫か?俺はうれしいぞおおぉぉーー 」


 誰なんだこいつは俺に言っているのか。まあ恐らく、というか流れ的に自分のことだと分かっているが。今の現状を彼に伝えよう。全く覚えていないが俺の大事な知人かもしれないしな。


 「 すまない来てくれてうれしいが記憶がないんだ。ついでに目も見えていないんだ。」


 すると彼は不思議と落ち着いた様子で


「 そうなのか。だが、目覚めて本当に良かった。」


 彼は本当に良いやつだ。覚えていないが彼とは仲が良かったのであろう。自分の知り合いに心配してくれる人がいることが正直うれしかった。俺は安堵のため息をもらす。


 記憶もないうえに目が見えないということが分かり精密検査を再度受けることになった。検査の結果、目は見えないわけではなく。色を感じていないらしい。原因は不明だが、医師いわく事故当時に大変なショックを精神に受けたらしい。後々聞いた話だが、先程訪れた彼が自分を病院まで運んだらしい。感謝しかない。名前は山田樹やまだいつきというらしい覚えておこう。今日は色々あり目を瞑るとぐっすり眠ってしまった。



◇◇◇ 


 

 なんだこれは、一面に花束が広がっている。夢なのだろうか、色鮮やかな世界に困惑した。そこには花束を持った女性がいた。身長は160cmくらいの細身で髪は肩にかかるか、かからないかの長さのボブで茶髪の女が立っていた。持っていた花束はチューリップだろうか。色は分からない。そんな彼女が呟いた。


「 幸せになって.. 」

     

 一体誰なんだ。どういう意味なんだ。彼女に話しかけようとした瞬間目が覚めた。


 






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