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26:冒険者らしくダンジョンに挑戦します



 ダンジョンは至る所に自然発生するものだ。

 出現してすぐは小さなものらしいが、次第に大きく深くなる。敵もだんだんと強くなるらしい。


 ダンジョンの最下部には魔剣があり、それを抜くとダンジョンの成長は止まる。

 さらに奥にはダンジョンコアがあって、それを破壊するとダンジョンそのものが崩れて消える。



 オーフェンの街中に発生したダンジョンは、すでに魔剣がとられ、コアが破壊されずにある、いわゆる『管理ダンジョン』というものだ。


 街外には魔剣がとられていないダンジョンも一つあるらしいが、そこは依然として成長を続けている。

 ある程度深くなったら成長は緩やかになるらしいが、管理できていないダンジョンは早めの討伐(・・)が推奨されている。



 まぁ私としては、魔剣が欲しいところだけど、ダンジョン討伐なんて最低でもBランクとか言われてるし、当分ダンジョン討伐なんて考えないつもり。

 危険を承知で死地に赴く、とか無理ですんで。普通の冒険者になりたいのだよ、私は。



「じゃあ何でダンジョン行きたいなんて」


「街の中にあるダンジョン、一階はスケルトンとゴーストなんでしょ? 毒効くか試したい」


「あーなるほど」


「ついでにダンジョンがどういうものかも見てみたいしね」



 別にダンジョンを攻略するつもりはない。だから試してそれで終わり。

 王都に向かうのを三日後として、それまでは休んで親孝行しなさいとポロリンに告げた。

 行けば簡単には会えなくなっちゃうからね。甘えるのは今の内だよ。



「ホントにピーゾンさん、同い年?」


「…………」



 確かに世話焼きおばさんっぽかったな。

 私ピーゾン、じゅっさいです。





 翌日、冒険者ギルドにも行かずに私たちは街の東部にあるダンジョン、通称『オーフェンダンジョン』というそのままの名前の所に来た。


 じゃあオーフェンの外に何個かあるダンジョンは何つー名前なのかというのか、実は統一性がない。

 ギルドや街・国で適当に名付ける時もあれば、発見者の名前をとったり、発見者が名付けたり、いつの間にか探索者間で呼ばれてた愛称のようなものもあるらしい。



 オーフェンダンジョンは元々民家の床に大穴が開いたらしく、その民家と周辺の民家は強制的に立ち退き。

 今では穴を囲むように堅牢な石造りの建物となっている。


 その前に来てみれば、何と言うか……砦だね。

 住宅街に似つかわしくない趣。

 敷地を囲む壁も高く、内側のギルドっぽい建物も冒険者ギルドとは違ってちゃんと重厚な扉がついてる。


 ダンジョンには『氾濫』って魔物があふれ出す現象があるらしい。

 管理されたダンジョンで氾濫が起こるものなのか知らないけど、だからこそこんなに堅牢な作りになってるんだろうね。



 ダンジョンに入る冒険者……いや冒険者以外も潜ることもあるらしいからダンジョンに挑戦する人は探索者って言うらしいけど、ともかく探索者がけっこういる。


 元はただの住宅地らしいけど、すっかり周りも商店街と化している。

 修繕や買い付けの為の武器屋・防具屋・道具屋、食堂に宿屋もある。

 土地を買い上げて氾濫の恐れのあるダンジョンのすぐそばに出店するとは……商魂たくましいね。


 私、武器屋も防具屋も三軒って教わったんだけど、ここには来たことないんですがねぇ。

 なぜカウントされてないんですかねぇ。

 ……聞けば大通りの店の別店舗だそうだ。なるほど、扱っているものも同じなのか。



 ダンジョンの建屋に入ると、衛兵さんがちらほら立っている。

 オーフェンが街で管理してるってことだね。


 で、入ってすぐに受付。

 冒険者カードを提示し、受付用紙を提出する。

 誰がいつ探索したのか記録するらしい。

「ど……!?」とか「セ……!?」とか言いかけそうになっていたが大事には至っていない。



 受付の奥には探索ガイドのような、注意事項や地図が記載された資料が売ってたりする。

 攻略するならこういうのも利用すべきなんだろう。ま、私はいらないが。


 さらに奥に鉄格子に囲われた地下への階段がある。

 床は丸く穴が開かれ、幅広い石造りの階段が見える。

 こんなのが急に生まれたのかと思うと、当時の民家に住んでた人たちを不憫におもってしまう。



「じゃあ行ってみようか」


「うんっ!」





「いやぁダンジョンは強敵でしたね」


「初めてのダンジョン挑戦がもう終わりとか……」



 三〇分ほどで帰ってきました。

 むしろ三〇分もよく粘ったと褒めてもらいたい。



 結論――アンデッドに毒は効かない。<衰弱毒>も<麻痺毒>も。


 スケルトンでもゴーストでもダメだった。

 ただ効きにくいだけかもしれないので、かなり粘ってみたけど無理だった。

 しかもゴーストに至ってはポロリンの打撃も効かない。

 我々には打つ手なしと逃げおおせた次第です。



「やっぱ王都に行ったらパーティーメンバー見つけないとね」


「見つかるかなぁ」


「国中の固有職(ユニークジョブ)が集まってるんでしょ? 誰かしらいるよ」



 魔法を使える人材募集。もしくは『魔装具』っていう付与付きの高級装備。

 ポロリンのトンファーを魔装具にしてもらえばゴーストにも効くかもしれない。



「【魔法使い】じゃなくても魔法使える人が居るといいですねぇ」


「それもそうだけど、物理アタッカーも回復役(ヒーラー)も斥候も欲しい」


「……もうそれでパーティー六人埋まっちゃうじゃないですか」


「限られた狭き門だね」



 ギルドで定めているパーティー上限は六人。クランを興さない限りそれは覆せない。

 希望の人材を列挙していくと六人なんてすぐ埋まってしまうのだ。



 理想的なパーティー編成というのは【物理アタッカー】【魔法アタッカー】【盾役(タンク)】【回復役(ヒーラー)】【斥候】【その他】の六人と言われている。


 この【その他】の中に前衛をもう一枚入れたり、後衛をもう一枚入れたり、サポート役を入れたり、荷物運び(ポーター)を入れたりと自由に編成する場合が多い。


 もちろん【剣士】が四人なんてパーティーもいるけど、バランス重視の編成を意識するとちょっとね。



 で、問題は私がデバフしか使えないから【その他】に分類されるって事なんですよ。

 一番自由に弄れる編成の箇所を最初から埋めているって言う……。

 盾役(タンク)のポロリンは外せないし、六人が揃っちゃったら私が一番不要な気がするね!

 あかん! 追放の予感!



 まぁそれはともかく王都に行ったらやりたい事は結構ある。


・定住先の確保

・冒険者稼業の本格的始動

・装備の更新(トンファー優先)

・パーティーメンバー集め


 などなど。その先にダンジョン攻略及び魔剣の入手も目標には入るだろう。

 王都に向かうのは二日後。それまでは自由行動だ。

 準備を整えつつ、備えましょう。



―――――

名前:ピーゾン

職業:毒殺屋Lv16(+1)

装備:武器・鉈(攻撃+0)

   防具・布の服(防御+9)

      皮のブーツ(敏捷+3)

      布の外套(防御+7)


HP:107(+5)

MP:115(+6)

攻撃:57(+5)

防御:7(+0)(+16=23)

魔力:66(+6)

抵抗:28(+1)

敏捷:126(+7)(+3=129)

器用:60(+3)

運 :25(+1)


スキル:毒精製Lv2(衰弱毒・麻痺毒)、毒弾Lv2、毒霧Lv1、毒感知Lv3

―――――

名前:ポロリン

職業:セクシーギャルLv7(+5)

装備:武器・鉄のトンファー(攻撃+15、防御+10)

   防具・布の服(防御+6)

      皮のブーツ(敏捷+4)


HP:70(+33)

MP:18(+7)

攻撃:59(+37)(+15=74)

防御:66(+39)(+16=82)

魔力:4(+2)

抵抗:7(+3)

敏捷:15(+6)(+4=19)

器用:26(+12)

運 :40(+19)


スキル:挑発Lv1、呼び込みLv1、セクシートンファー術Lv1

―――――




ファンタジー小説を書くとダンジョン要素を入れたくなってしまう病気。

やっぱ楽しいんですよねー、設定とか考えるの。

ストーリーとかキャラメイクとかは苦手なんですけど(汗

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