序列と共感をラノベに活かすには
普通の人の話題は、『序列と共感』という意見を見て、
もしかして『序列と共感』を意識してラノベを書いたら読んでもらえるものができるかもしれないと僕は思った。
ちょっと考えてみようか。
序列によって惹起される優越感は刹那的だから序列イベントは矢継ぎ早に次々と起こす必要がある。
共感は、某社会学修士の『なろう読者はだいたいおっさん説』を信じておっさんに訴えかけるものにする。
そうなるとストーリーは、奥さんや子供の持ち込んでくる序列イベントによって、おっさんリーマンが破滅していく話とかはどうか。
他人の不幸は蜜の味的なリア充ざまぁ要素もプラスされていい感じの娯楽小説になるかも。
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「あなた。お隣のちょめちょめさんが高級外車を買ったらしいわよ。それにひきかえうちは、国産の軽だなんて。恥ずかしくってご近所さんに顔向けできないわ。あなたは平気なの? なんでこんな家に嫁いだのかしら?」
「う、うちも高級外車買おうか? ……12年ローンで」
「あなたのお小遣いから払って頂戴。せっかくだから、隣の家と同じ車で上のグレードにやつにしましょうよ。見せびらかしましょ?」
「お、おう」
「やあやあ、お隣さん。お隣さんも外車を買ったんですね。うちと同じやつですか?」
「いえいえ、うちのはSグレードなんですよ」
「Sグレード! それはすごい。さぞ高かったでしょう?」
「どうってことない安物ですわ。ほほほ」
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「パパー。みんなピアノ持ってるからグランドピアノかってー」
「ええっ? みんなって誰だよ」
「よっちゃんといかちゃんとえーと」
「パパのキーボードじゃだめか?」
「だめだよー。新品のグランドピアノがいい!」
「グランドピアノは高いからなー」
「あなた子供に不自由させるつもり?」
「……120回払で買おうか?」
「みんなのよりいいのがいいなー」
「1000万のスタインウ○イにしようか。ははは」
「支払いはあなたのお小遣いからにして頂戴」
「……リボ払いで」
「〇〇ちゃんちのピアノすごくきれいな音がするね」
「うん。1000万のスタインウ○イだからねー」
「すごいや。うちなんて10万の電子ピアノだよ」
「あら坊やの家のピアノは安物のゴミ電子ピアノなの? 偽物の音を聞いてると耳が育たないわよ? ピアニストになる夢は諦めたほうがいいんじゃないの?」
「うわーん」
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「あなた。なんちゃらブランドの新作バッグいいわね。あした何の日かわかってるわよねね(チラッチラッ」
「ははは。明日は君の誕生日だったね。クレジットカードで買おうか(信用枠足りるかな?)」
「これでお隣さんに自慢できるわ」
「あら奥さん。ごきげんよう」
「ごきげんよう。そのバッグ。なんちゃらブランド? もしかして新作の?」
「そう。まだ出回ってない新作の。昨日主人が買ってくれたのざますことよ。ホホホ」
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「○組の△ちゃん□大に受かったらしいわよ」
「□大か。そりゃすごい」
「パパのようなFランとはちがうわね。息子ちゃんもお勉強していい大学に入るのよ?」
「うん。パパー。塾行きたい」
「べ、勉強頑張るんだぞ」
あかん。夢も希望もない。
でも、書いてみてわかったことがある。重要なのは基準を設けることなんだね。
異世界ファンタジーでも、価格やブランドを常に意識して書けば『序列と共感』は刺激できそう。
庶民がこの誉れ高い王立魔法学園の入学試験を受けに来るとは身の程知らずめ
おとうさんみんなもってるから超高い光線銃買って
隣の奥さんが蒸気機関の馬車を買ったらしいわよ
あいつAランクハンター試験に受かったらしいぜ
このリングには3億ギル相当の付与が付いていて~
あれ? なんかランキングでこういうの見たことあるな。っていうか、テンプレって本質は序列と共感なんじゃ?
追放モノのなろう小説が強いのは、序盤のフックの部分で序列と共感を一気に刺激できるから、かな。つまり、追放もののなろう小説の出落ち感をなくすには、価格とブランドを意識することが有効になりそうだ。
まぁ、僕はそれを書いても楽しくないから活かせるかどうかは別問題だけどね。




