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ギフテッド考

 今日はギフテッドについて考えてみる。


 例えば、高校受験のときに偏差値50を境に合否を振り分ける『普通の高校』があったとする。


 その高校で受けた1学期の最初の模試で、全国模試の偏差値70。校内偏差値140といった極端な数字を叩き出すのがギフテッドである。


 どうしてそんな事になるのか?


 特別な教育をなされていないギフテッドにとって学校の教育は苦痛だ。興味が持てないギフテッドは授業中、寝ていたり白昼夢に夢中になったりしているだろう。ところが、たまたま目にした教科書の先の方の問題に興味を持ったりすると爆発的に才能が開花する。


 授業そっちのけで教科書の先の方の問題を独学で解き出すのだ。


 果たして、高校最初の模試。教科書によって習う順序が違っていたりして、その高校ではまだ習っていない範囲の問題が多く模試に出たとする。


 『普通の高校』は進学校ではないので、予習と言っても授業の次やる範囲ぐらいしか予習していない人が多い。そもそも予習をする人すら多くはない。結果全国模試の結果は惨憺たる事になる。


 ところがギフテッドは一学期のうちに一年分の問題を解いていたりするので普通に対応できるのだ。その結果、全国偏差値70。校内偏差値140というようなとんでもない数字が出たりする。


 ちなみに当たり前だが校内偏差値100超のような数字を出すと孤立する。


・ギフテッドの先天的特徴


 ギフテッドはマイペースで、好奇心が強くせっかちである。好奇心の強さ、興味のあるものにがっついていく姿勢が周りから見るとせっかちなように見えるのだ。そして、興味の対象以外のことは無関心である。ギフテッドは周囲の人に無関心なことが多く、あまり他人を見下したり尊敬したりはしない。


・ギフテッドが必ずしも頭が良くない理由


 ギフテッドは興味が持てないことはやらない。無関心であり、やるのが苦痛である。もちろん素頭は悪くないので実害を被るレベルにはならない。『赤点は再テストだぞ』みたいな脅しがあればどうにかこうにか努力して、赤点をすれすれクリアするのがギフテッドである。


・ギフテッドに特別な教育が必要な理由


 ギフテッドは問題を解決することを楽しみとする。だから、問題に興味があるうちは爆発的な集中力でそれを解くのだが、興味がなくなるとパタッと手を付けなくなる。


 例えば、専門書を原語で読んで、『ああ、翻訳によってこんなに意味が解りづらくなるのか。原語で本を読むのって面白い』と思ったとしよう。ギフテッドは、その後半年もすると7カ国語で読み書きができるようになっていたりする。


 だが、原語で本を読むことによって、面白くなくなる(ありがたみが薄れる)側面があることに気付くと途端に興味を失うのだ。


 ありがたみが薄れるというのは、エンジェルがただの郵便配達人になったり、仏陀と菩提が同じ単語の活用形だとわかったり、例えばそんなことだ。


 そういう些細なきっかけで、ギフテッドは突然に興味を失う。


 もし、興味の持てる問題を与え続けることができれば、10才の少年が大学に入るというような育成も十分可能だろう。


 その後、その子が天才になるかどうかは、『興味を持ち続けられるかどうか』にかかっている。


・ギフテッドと発達障害、アスペルガー症候群


 ギフテッドは基本的に問題解決能力が高い。問題が起きそうなら対処するために手を打つことができる。だから、障害とみなされないことが多い。ただし、極端に興味が持てない場合はその限りではない。


 ギフテッドはIQが高かったり、偏差値が高かったりするので弱者として保護されない。されたとしても後回しである。


・ギフテッドの苦悩


 ギフテッドは常に孤立するので孤独に対する耐性は高い。ただ、周りから過度に期待されることが多く、期待に答えられない(途中で興味を失ってほっぽりだす)ことに罪悪感を感じている。


 ギフテッドは特殊な教育を受けない限り『普通の人』なのである。

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