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一人称で状況説明するのは難しいよね

 一人称で状況を説明することって難しいよね。『実況しすぎると乖離がひどくなって三人称側による』って感覚はすごくよく分かるわ。


 たぶん一人称作家さんは、みんな悩んでるんじゃないだろうか。


 一人称は、本来主観を書かなければならないから、主人公から見えてないことは説明できない。


 でもなぁ。


 わかってはいるんだけど、どうしても作者としては読者さんに見えてない部分を伝えたい欲が出る。


 業が深いのよ。


 例えば、せっかく膨らませた世界観の説明とか。

 あるいは、あとで満を持して共通認識部分をひっくり返すための伏線とか。

 もしくは、がんばって萌え要素を詰め込んだキャラがどんなに魅力的なキャラなのか、どんな服を着てるのか、髪型はどうなのか、服のあしらいがどうなのか、とか。


 読み手側からすれば、そんなの会話文の中で上手いことやれよ、って話なんだけどなかなか難しいんだよな。


 登場人物如何によっては、一人称では絶対に説明できないこともある。


 いろいろなことに興味のある子供キャラを主人公にすればいいのかも知れないが……。


 結局の所、『主人公はそんなとこ見ない』って話になるんだよね。


 そういう観点に立つならば、なろう小説で主人公がヒロインのおっぱいの大きさにしか言及しないことこそ、実は正確な一人称の使い方なのだと強弁できるのではないだろうか?(暴論)


 僕も一人称で状況説明しようとするとわかっちゃあいるが、3人称側による。

 拙作『いたもん』のプロローグ3はそこで苦しんでます。


 ヒロインの服装とかの情報を、例えば『その服のレース非対称でおしゃれだね』なんて、会話文に落としこんだ日には、主人公が糞ナンパ野郎になるからな。あるいはガチな一人称でリアリティを求めると思考にノイズを挟まないといけなくなって、内容が伝わりにくくなる。


 実際、一人称側に寄せてリアルに書こうとすると思考にノイズを入れる必要が出てきませんか?


 例えばこんな感じに。


「昨日、同じ瓶を開けたのだけれど、その瓶を開けるにはお湯を沸かす必要があるわ」

「そうだね」


 瓶を開けるのにお湯を沸かす必要があるって? 今、なんとなくなろう姫に生返事をしたけれど、何のことだ? うっ、この蓋固いな。手が痛くなってきたぜ? ああ、なるほど。なろう姫が言ったのはそういうことだったのか。金属ふたの熱膨張を利用して瓶を開けろって話ね? なんとなくわかったふうなていで頷いといたけど、今、意味がわかったわ。


 鍋にお湯を入れて、と、あんまり多いと沸かすのに時間がかかるからこんなもんでいいかな?


 おっと、早速ほつほつほつほつとお湯が沸騰する音が聞こえてきたぞ。お湯、沸いたみたいだ。意味もわからずとりあえずなろう姫の言うがままにお湯を沸かしてみたけれど、間違いじゃなかったな。あっ、なろう姫、沸いたかどうかが気になるのかな? 背が低いから覗き込まないと見えないのか? そんなふうに不用意に鍋を覗き込んだら服の襟首からさきっちょが見えるぞ。そのTシャツ大きいからさ。おしい、もう一息。しかし腹減ったな。


「なろう姫、鍋つかみとってくれる?」

「ねぇ。なろう主。難しい顔をして、一体何を考えてるの?」


 なろう主の脳内うるせー! ってなるでしょ? こういうの僕は結構好きだけどな。


 一応、作者もなんとかしたいと思っちゃあいるのだ。


 人称警察さんには、ぜひとも手加減してほしいものだわ。

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