ペルチェベストは使えない
ペルチェベストは使えないというテーマで、今回は失敗談をお送りしようと思います。
冷房代をケチれたらなぁ、なんて思いつきで手を出した物がお金を吸う沼で、かえって高くついたという失敗談です。
ポップコーンを片手に、笑っていただければ幸いです。
最近暑くなってきましたよね。
ぼくの家も暑くなってきまして、エアコンをつけようか迷ってたんです。
たまたま、あぶくぜにが入ったタイミングだったので、ECサイトで見かけたペルチェベストをポチってみました。
未来ガジェットっぽい、メッシュ服+背面ファン+素子むきだしのサイバーパンク感に惹かれたのです。
いかにも涼しそうなデザインなんですよ。見た目は。
でも冷静に考えたら、こんなの涼しいわけがなかった。
では、ダメ出しいってみます。
その1.インナーベストなのにインナーとして着られない
まずはこれですね。
ぼくが買ったのはインナーベストなんですけど、このベスト、インナーとしては非常に限られた条件下でしか使えないんですよ。
ペルチェ素子って電流を流すと熱が電流とともに移動する素子です。
ざっくり気温が30度だとすると、下着につく面が10度、裏面が(20度分熱が移動して)50度になります。
これをインナーとしてシャツの中に着ると、服の中で熱のサーキットが完成します。
熱の収支プラマイゼロからデバイス自身とバッテリーの発熱が加算されて、時間とともに服の中の温度があがり、最終的に「着てないほうが涼しい」という状態に落ち着きます。
インナーとして着る前提なら、とってもエネルギーの無駄ですが、アウターに空調服を着ないとだめです。
本末転倒も良いところ。
その2.使い終わったあとに儀式が必要。
使い終わったらさっさと充電、なんてわけにはいきません。
電源を止めたあと、1分間ファンが回り続けデバイスの冷却を待つ必要があります。
ぼくが買ったペルチェベストには、人間でなく、デバイスを冷やすためだけのファンが付いています。
これが停止後回るのです。
なぜか。
ペルチェ素子って片面が熱く、片面が冷たくなるので、構造上両面に逆方向の力(熱応力)がかかるんですよ。つまり、半導体がめきょっと剥がれて壊れやすいのです。
仕方ないことですが、脱いだあとバッテリーを取り外すまえに一分ぐらい冷却まちでポケーっとしてないといけません。
すごい無駄。
その3.涼しくない。
いちばんつらいのがこれ。
冷静に考えてください。冷蔵庫(冷凍庫ではない)で冷やした、たかだか5cm角の小型保冷剤を3つ4つ服に貼り付けて涼しくなると思います?
なりません。
背中全体が涼しくなってきた! なんてメーカーさんの顔色をうかがいつつ動画配信で言えるのは、せいぜい気温28度でじっとしている場合ですね。
「全くの無駄」とまでは言わない。
だいたい、28度から(扇風機の風を受けながらせいぜい)33度までの狭い温度範囲でのみ、心地よさを感じることができます。34度だともう脱いだほうが涼しい。
真夏に売り切れてプレミアム価格がつく、通称「着るクーラー」なんて商品がありますが、どんなに高性能な素子を使おうが、どんなに強力なバッテリーを使おうが、どんなに強力なファンを使おうが、バージョンがいくつになろうが、まったくもって気休めです。
わかるもん。もってないけど。
冷蔵庫で生ぬるい温度に冷やしたちっこい保冷剤1個、首筋に貼り付けて涼しくなると思います?
なりません。
その4.バッテリーが全然足りない。
付属の10000mahでは、持続時間がとても心もとないのです。
最強にしないと、そもそも効かないんだもん。20000mahで7時間ぐらい。それぐらいバッテリーがもてば、まぁ使えるかな。
ポケット、パンパンになりますが。
おまけ.一緒に着ることを推奨されているコンプレッションシャツを着ると効果はあるのか?
微妙、ですね。
コンプレッションシャツは非常によいです。
ペルチェベストはいらないですね。不要。シャツだけでいい。
最初は窮屈ですがシャツの加圧に慣れると「いい姿勢」が苦も無く保てて楽ちんです。
接触冷感が常にピタッと肌にくっついているので冷たいし、風が吹くと涼しいしね。
コンプレッションシャツはこんな機会がないと一生買わなかった代物だと思うので、それが買えたことと、20000mahの大容量モバイルバッテリーが使い回せることだけが救いです。
あぶくぜに、身につかず。
某エヌビ◯ィアの株を一旦利確して得たあぶくぜには、こうして社会に還流されたのでした。
今回はそんなお話。




