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1元論と意図共有

 しつけをするときに、判断を大人がして『だめなこと』だけを子供に伝えることがあると思います。


「そんな事やっちゃだめでしょ!」とかさ。


 そんなとき、子供は、『だめなこと』のパターンを覚えることで『だめなことグループ』を作ります。


 発達が少し進むと、『だめなことグループ』を規範として、「そんな事やったらだめなんだよー!」と子供が言うようになると思います。


 これが1元論です。


 2元的な『善悪対立構造』でなく、倫理・道徳・ふわっとした法知識などが判断基準として蓄積されて、それをもとに子ども自身が『だめなこと』を判断している状態ですね。


「団地の子と遊んじゃだめなんだよー!」とかね。


 このような、親の偏見による『偏った規範』が構築されるケースもあります。


 判断基準はもともと客観的じゃありませんから、この段階でさえ会話をすると齟齬が出ます。


 別の家の子供は、「なんで遊んじゃだめなの? 変なの」ってなるでしょう。


 別の家の子供の『だめなことグループ』のなかに、『団地のこと遊ぶ』は含まれていないからです。


 発達障害(自閉症)の子は、このグループのサイズが小さく、ときに深くなりがちなんですよね。


 子供同士の会話に出てくるようなシンプルな文のときには、テーマ(会話における最優先判断箇所(会話の意図・目的))を読み違えることは当然少ない(そもそもテーマしかない場合も多い)のですけれど、複雑な会話になると、テーマを外し、興味のある部分にしか反応しないような場面が増えてきます。


 曰く、文脈(空気)が読めない、とか。


 会話において、テーマが共有されておらず、傍から見て噛み合わない会話を本人たちは気にせずに延々しているような状態を想像してみてください。


 なろうでも、たまに目にするかと思います。


 これを『意図共有がされてない状態』といいます。


 最近ツイッターで「IQが20違うと会話が通じないというのは間違っていて、『意図共有』がされていない場合、会話が通じないのではないか?」みたいな説を見かけました。


 正直、考えさせられました。


 例えば、「あれとって、あれ!」で、スッと醤油が出てくるような状況を『会話とみなす』のならば、一理あるかも、と。


 ただその場合、犬などの動物とも会話できることになるのですけれど。


 逆に、ぼくは、傍から見て主題が共有されていないようにみえる場合でも、『会話が成立しているシーンがある』ように思うんですよね。


 テーマの根幹部分については、もっている情報が少なすぎて判断できないけれど、ここについては知ってるよ、みたいな。


 ぼくはそういう場面では、傍目には話が噛み合ってないようでも、会話としては成立してるという状況があるように思うんです。


 皆さんはいかがお考えでしょうか?


 もっというと、2元論までは『意図共有による会話成立説はある程度説得力を持つ』ように思うのだけれど、3元論以上では不適切というか、そこでは、そもそも『意図共有』こそが『目的』みたいな会話になるように思うんですよね。


『意図共有』するために、前提の確認が常に必要になるといいますか。


 もしかしたら、ぼくの思い浮かべている『会話』って、一般に想定されている『会話』とは、ずれてるのかもなぁ、みたいなことを考えました。


 今回はそんなお話。

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― 新着の感想 ―
[一言] 会話もコミュニケーションの形態のひとつでありますので、対話としては論理、文脈的に噛み合っていなくても「会話として成立」している状態はありますね。 感情や雰囲気の共有、コミュニケーションを取…
[一言] >ぼくはそういう場面では、傍目には話が噛み合ってないようでも、会話としては成立してるという状況があるように思うんです。 この感想欄での私と諭吉さんじゃないか(笑)
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