偏見っぽく見えても、偏見じゃないケース
「男子ってチョコレート好きだよねー」と女子がグループで話をしているとして、この場合の『男子ってチョコレート好き』の意味は次のうちのどれでしょうか?
1.発言している女子の『お友達の男子のうち』のチョコ好き男子の割合
2.『人類全女子と比較して人類全男子は』という比較
3.チョコレート好き男子の絶対的な人数の多寡
4.男子全体におけるチョコレート好き男子の割合
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どうでしょうかね?
3.だったら面白いよね。
『2022年初頭。チョコレート好き男子の数がついに1億人を突破しました! これは前年のほにゃらら国の人口を上回る人数です!』とかさ。
まぁ、実際は1.だと思うんですけどね。
ほら、2.以降は、具体的なデータがないとただの偏見じゃないですか?
そんなものを持ち出して友達同士で会話したりしないよね、ってことで1。
もちろん発言者の女子と、会話しているグループ内の女子が思い浮かべている『チョコレート好き男子』は別の男子だったりするのですが、だいたいグループでつるんでる場合には、同じような人付き合いになりますから、その子が含まれたり含まれなかったりはしつつも、会話に齟齬は生まれなかったりするんですね。
アイツら大概チョコレート好きだよなぁ、って。
実際、統計をとったりすると女子のほうがチョコレートが好きだったりするのですが、そんなの関係ありません。
合意されている会話の意味内容が1.である以上、『男子ってチョコレート好きだよねー』はコミュニティ内において真実なんです。
そうしてみると、『偏見を解く』のって難しいよなぁと思います。
だって、そもそも偏見っぽく見えても、偏見じゃない場合があるんだもの。
どっちも真実だから平行線、みたいなことって実際多い。
ただ、包括的な真実と限定的な真実が必ずしも同じ方向を向いてないだけでさ。
にもかかわらず、1.の内容で話をしている人たちに、2.3.4.の内容で『偏見だ』とか、『なんかそういうデーターがあるんですか?』とかそんなふうにツッコむ人達がいるから不毛な争いに発展する。
永遠に平行線だし、あちこちで発生すると生産性が落ちるじゃん?
どっちも真実なんだけど、ツッコむ側は、データーのある自分たちの意見だけが真実だと思っているの。
さりとて、言語の仕様を厳格化して比較だの割合だの絶対数だのの内容を常に明示するようにしたら、果たして生産性はあがるんでしょうかねぇ?
息が詰まっちゃうよね。
みんなそんな事を気にせずに話しているからさ。
今回はそんなお話。




