いじめは弁えないから起こる(優先席問題)
ちょっと刺激的なタイトルにしてみた。
学校で、『優先席に座るときは、お年寄りには席を譲りなさい』と教えられていたとしましょう。
公共交通機関で通学する人の多い学校だと、実際教えられてたりするのかな?
生徒である『Aさん』も『Bさん』も『Cさん』も、ちゃんとそのことを理解していた。
ただ、『Cさん』は、『見ただけでお年寄りかどうか分かるのか?』と疑問に思ったので、優先席には座らずに、他の座席が埋まっているときは立っているようになった。
AさんとBさんは学校では同じグループに属していて、Bさんのほうが勉強も運動も得意だったのでAさんは劣等感を感じている。
Cさんはそもそもグループに属さず、孤立していた。
そんな状況を想像してほしい。
通学時、AさんとBさんが優先席に座っていて、Cさんが立っている。
まず、典型的なお年寄りが二人、優先席に来た。
AさんもBさんも席を譲り、問題は起きなかった。
AさんとBさんはあいかわらず同じグループで、心底の部分ではわからないけれども、表面的には学校で親しく楽しそうに話しており、Cさんは二人と距離を感じている。
次の週、ムキムキ屈強なお年寄りが二人『Aさん』と『Bさん』の座る優先席の前にやって来た。
ムキムキ屈強なお年寄り二人は、競い合うように筋肉を見せつけあっている。
Bさんは、ムキムキ屈強なお年寄り達が『席を譲られることを望んでいない』ことを察した。
Cさんも、流石にこのケースでは、『二人とも席を譲らないだろうな』と思ってみていた。
実際、屈強なお年寄り二人も席を譲られることを望んでいなかった。
『この筋肉が飾りに見えるのか』ってね。
そんなシーン。
Aさんは立ち上がり、Bさんは立ち上がらなかったんだ。
Aさんは、学校で教えられたことに『固執』し、ムキムキ屈強なお年寄り二人に是が非でも席を譲ろうとし、いつものうっぷんを晴らすかのように、劣等感をぶつけるかのように、正義の側にたったと思ったのか居丈高に、立ち上がらないBさんを非難した。
「マナー違反だ! そんな人だと思わなかった! ひどい人だ! 心根が腐ってる!」と。
こんなときに、いじめの芽が生まれる。
グループ内で地位の高いBさんは、グループでこの話を尾ひれをつけて話し、Aさんと関わらないよう仕向けたんだ。
いじめって、こんなふうに『グループから排除されるとき』に発生するものだ。
はじめから孤立してるCさんは、いじめの対象にはならない。
いじめもマウントも、『帰属』がはたらく場合に起きるんであってね。
とくに、同じグループ内に属するカースト下位が、弁えないといじめの対象になる。
一応言い訳しとくと、「弁えないから起こる」の「から」は、起点であって原因ではない。
自己責任論じゃないよ。
今回はそんなお話。




