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出会い

私の名はサタン魔王様の配下であり、人々に恐怖と混乱をもたらす存在だった・・・

ある少女に出会うまでは。


「ぐぅ~」


私はお腹をすかせていた。

人々から奪い満たせばよかったのだろうが、魔王様に穏便に偵察して来いとのことだったのでそのようなことは出来なかった。


「ガタ」


あまりの空腹で私は倒れてしまったようだ。

人々は我関せずといった感じだろうか、旅人の外見をしていれば近寄らないのがこの世の理なのだと私自身分かっていた。分かっていたがそんな私に近づいてくる幼子が一人現れた。

前髪・横髪・後髪すべてをくくって腰あたりでまとめてある。

ここの土地の人間にしてはなかなかきれいなほうだが見た目は幼子だ


「ねえ、あなたお腹すいてるの、それとも体調が悪いの?」


さっきのやつらは声もかけてくれなかったが、言葉では何とでも言える。

どうせこの幼子とて何か目論見があってのこと、私自身が相手の心を見透かすことなど知ったらどうなるのだろうな・・・。


「黙ってたら分からないよ、ねぇってば」


半泣きになりめんどくさくなったので心を探ってみた。

もしかしたら演技かもしれないからな。


ムムム、どうしよう。

この人大丈夫かな?倒れてるけどお腹すいてるのかな?それとも体調悪いのかな?

このお金・・・貯めたやつだけどしょうがない

あの女の人がいいよね、この子女の子だし


「ちょっと、待っててね」


そういうと、幼子は冒険者の女のところへ行きお金を渡してこっちへ来た

どうやら私を目的地まで届けるために支払った対価らしい。

依頼と報酬、これが人間のそして国々のやり方だ。

女のほうはラッキーこんなガキを届けるだけでこんなにたんまりとお金もらえるなんてついてるなどと考えていた。

今すぐ女を処理してもよかったが何故かその幼子の前でするのは嫌になった。

馬車で揺れること30分ばかりで私は冒険者ギルドについた。

女はギルドへ私と幼子を届けるとスタスタと帰っていった。どうやらこことは仲が悪いらしい。

そして幼子が帰ると皆して暖かく迎え入れてくれた

付添人の私は疑われるかと思いもしたが幼子が一言、私の友人なの今体調悪いからお願いします

などと言うと何も言わなくても女性の人が来て私を抱えベットまで連れて行ってくれた。

この女性の本心はユウには友人なんて作るの難しくていない筈なんだけどユウが言ったことだから信じないといけないな日頃お世話になってるし。と考えていた

その女性と幼子もといユウは入れ替わりで入ってきた。


「えっと、一応おかゆ作ってみたから温かいうちにたべてね」


米と卵それに刻んだネギが入っている。

その見た目、その香りで私は今まで以上に一気に食欲がでた

のだが食い方が分からん

今までは木の実を取ったり魚を食べたりとしていたのだがこの鍋に入っている奴はどうしたらいいのだ?

などと私が考えていると


「あ・・・ごめん、もしかしてここの国の人じゃないのですか?

それだったらわからなくても無理ないですよ、これは箸とスプーン(レンゲ)で食べるんです」


心の声は常に入ってくる

今ユウが考えたことは、

おかしいなこの近くの国では箸とスプーンをつかって食べるのが主流なのになんで女の子はそうじゃないんだろうもしかして遠い国から来てそれで勝手が分からなかったとかかなそれだったら私がちゃんと教えてあげないと、よし頑張るぞ


「えっとね、こっちの箸で米を挟むの落ちやすいから気をつけてね、まあ最初は難しいし人によってはスプーンのほうが楽っていう人もいるからこっちでもいいかもよそんじゃまず最初に私が・・・」


と言葉が一時中断された

なぜかというと


「えっと貴方の名前じゃなくて、人に聞くときはまず自分から言わないと、えっと私名前はユウ、冒険者見習いです。ちなみに17歳です」


確認したが本当のようだ。

普通に小学生でもいそな外見なんだがな

ま、名乗られたからには名乗るのが筋


「私はサタン 魔王様のしもべで年は250ほどだ」


こんだけ言えばユウとて私を見放すに違いない、かつて信用していた部下が私を見放したように・・・

だがユウは、

凄い、凄いよこんな小ちゃくてかわいい人が冒険者数十人を軽く倒しちゃうんだから。

憧れと同時に言葉では強がっていても恐怖を与えてしまった。


「そうなんだ、へえ~」


ユウの心が悲鳴を上げていた

逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げいた逃げたい逃げたい逃げたい

当然の反応だな

死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

今日は命の恩人をそんなことしない

でもだめでもだめでもだめでもだめでもだめでもだめでもだめでもだめでもだめ

ギルドに居るサタンさんはサタンさんしかいないんだから心細いおもいをさせちゃだめ

なかが私の中で変わった気がした。さっきもユウが他とは違うやつだと思ったが今はより一層そう思えた。

それはかつて魔王様と私が血で契約したときにも感じた想いこの人のためならたとえどんな困難でも怖くないと思えるよな想いだった。


「ユウってば、スプーンが震えてるぞちゃんともたないとおかゆ落ちる」

「あ・・・ごめんなさい」


完全に委縮しちゃった。

そんなの嫌だな・・・

これはちょっと卑怯だけど


「ユウ私のことサーちゃんって呼んで私たち今日から親友だよ」


ムムム

何を言ってるの?でも言わないとだし・・・


「サーちゃんと私今日から親友ね」


そういうと上に巨大な魔方陣が現れる。記憶操作系の魔法だ

私が魔王のしもべで年が250ということを忘れさせた。







おかゆはきれい残さずたべました

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