共同生活、最初の朝です。
...眩しい...
「うーん...もう朝か...」
俺がゴロリと寝返りを打つと
女の子。
「...???!!!いってぇ!」
俺が反射的に後ろの壁まで後ずさり、びたんっと壁に背中をぶつけた音に気づいたのか、
「あ...ミズキ、おはようございますなのでふ...」
と目をこすりながら彼女があいさつしてきた。
そうだ。俺は昨日、ひょんなことからこの子、ルルと同じ部屋で生活することになったのであった。とはいえ...
「おまえ、ベッドそっちだろ!なな、なんで俺の方で一緒に寝てんだ!」
「すみません、私寝相がわるくて...」
「って、お前、ルル?!」
彼女の姿は昨日とは打って変わってまるで人間のような姿だった。長かったエメラルドグリーンの髪は、色こそそのままだが肩に届くくらいにまで短く、耳や悪魔の象徴である長いしっぽ、額の真紅の宝石は消えていた。
「なっ、なんでお前そんな姿になっちゃってんの⁉耳とかしっぽとかどこ行っちゃったわけ?!」
「朝になったからですっ、私は朝になると魔力が低下して人間と同じような姿になるのです!」
ふふんと胸を張って説明するルル。
「へぇーなんかすごいんだなぁ、ルル以外の悪魔もみんなそうなのか?
「......わからないのです、私他の悪魔に会ったことがないので」
なぜか、沈黙のときの彼女の表情が沈んだのが気になった。
俺は取り繕うように
「まっ、いいさ。ところでのに必要なもの買いに行くんだろ?」
「はいっ、学園長様によると、゛とうきょう゛というところには何でもあると聞いているのですっ。だから、そこで買い物しようかなーと思ってますっ。ですが、行き方とかなんにもわからないので、その...」
「一緒にきてくれ、だろ?いいよ。俺も今日暇だし」
「ありがとうございますっ!では着替えるのでちょっと待ってくださいね」
ルルがそう言うなり懐に手を突っ込みだしたので服を脱ぎだすのかと目を覆ったが、女子の着替えが見れるのではないかという欲望に負け指の隙間からチラ見していると、彼女が取り出したのは文字のような模様が施されたカードだった。
ルルが片手を前にかざし、「アピュリエンス」と唱える。するとカードの周りに赤色の光が集まってきてパンッと弾けてルルの体を取り囲んだ。そして光がなくなったと思ったら、ふつうの女の子の格好をしたルルが立っていた。
「着替え完了なのですっ★」